著者
鳥海 吉弘 倉渕 隆 溝口 舞 小寺 定典
出版者
公益社団法人 空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会 論文集 (ISSN:0385275X)
巻号頁・発行日
vol.38, no.200, pp.11-18, 2013-11-05 (Released:2017-09-05)

近年,住宅は高気密化の傾向にあり,集合住宅は特にその傾向が著しい。高気密化により計画的機械換気が可能になる反面,第3種換気方式では室内が極端な負圧になるケースもあり,玄関ドアの開閉困難,エアコンドレン管からの騒音発生,排水トラップへの悪影響及び排水管の搬送能力低下などが懸念されている。本研究では第3種換気方式の高気密集合住宅にて,室内負圧が住宅設備機器に与える影響の実態調査と検討を行い,以下の知見を得た。1)換気設備の使用状況により室内が過度の負圧となる場合がある。2)室内負圧に起因するエアコンドレン管からの騒音は,ドレン管の設置状況に依存する。3)大便器トラップ破封のメカニズム検証実験を行ったが破封には至らず,破封には複数の要因が関係していると思われる。
著者
鳥海 吉弘 倉渕 隆 嵐口 晃宏 今野 雅 鎌田 元康 水谷 泰三
出版者
社団法人空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会論文集 (ISSN:0385275X)
巻号頁・発行日
no.91, pp.11-19, 2003-10-25
被引用文献数
1

本研究は,風圧係数と気象データから算出した建物外壁に作用する風圧力の発生頻度と,換気回路網計算を組み合わせて,機械換気を行う居室の換気量充足度予測を行ったものである。前報ではセンターコア型超高層集合住宅を対象とし,新鮮外気量のみについて検討した。本報では片廊下型高層集合住宅を対象とし,評価法に実効換気による換気回数およびホルムアルデヒド濃度評価を加え,多数室における換気性状を評価した。その結果,ホルムアルデヒド濃度に関する換気性状は新鮮外気による換気回数と関係が深いことが確認されたため,"給気専用ダクト"の設置を想定したところ,換気性状および換気量充足度の改善が確認された。
著者
倉渕 隆 鳥海 吉弘 平野 剛 遠藤 智行 栗林 知広 小峯 裕己
出版者
公益社団法人 空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会 論文集 (ISSN:0385275X)
巻号頁・発行日
vol.31, no.117, pp.1-10, 2006-12-05 (Released:2017-09-05)
参考文献数
19

建築基準法の改正に伴い,居室には原則として機械換気設備の設置が義務付けられることとなったが,現状では地域性や建物性能に対応した換気システムの適切な選択方法が整備されていない状況にある。本研究では,住宅に設置される各種常時換気設備について,外界気象条件や建物気密性能による問題点と改善対策を解明することを目的とし,戸建住宅を対象とした年間に渡る換気シミュレーションによる検討を実施した。その結果,第1種換気設備-本体給排気では建物気密性能によらず良好な換気充足度の評価を得ることができるが,第1種換気設備-居室給排気および第2種換気設備-居室給気では2階居室の空気汚染が問題になること,第3種換気設備-水周り排気では2階の新鮮外気の給気量不足が問題になることなどを明らかにし,考えられる改善対策の効果について検討した。