著者
橋詰 寿律 菊地 敬一 鶴見 豊彦 泉 陽太郎 鳥潟 親雄
出版者
日本肺癌学会
雑誌
肺癌 (ISSN:03869628)
巻号頁・発行日
vol.33, no.7, pp.1083-1089, 1993-12-20
被引用文献数
6

症例1は48歳の女性.職場検診で胸部異常陰影を指摘されたため来院した.右肺中葉にair bronchogramを伴った浸潤影がみられ, 気管支鏡下生検でリンパ腫が疑われた.平成3年4月18日, 右肺中葉切除および縦隔リンパ節郭清術を行った.病理診断は非ホジキンリンパ腫(びまん性, 小細胞型)であった.補助療法は行わずに退院し, 術後1年9ヵ月の現在再発の徴候なく経過観察中である.症例2は38歳の男性.感冒で来院した際, 左舌区に辺縁が鮮明で, air bronchogramを伴わない腫瘤陰影を指摘され入院となった.術前検査では確定診断はえられず, 平成3年10月17日肺腫瘍の疑いで左肺上葉切除および縦隔リンパ節郭清術を行った.病理診断は非ホジキンリンパ腫(びまん性, 小細胞型)であったが, 症例1に比べ細胞の異型性が強く, 肺内リンパ節にも腫瘍性病変がみられたため, 術後CHOP療法を2クール施行した.術後1年3ヵ月の現在再発の徴候なく外来通院中である.本疾患は稀な疾患ではあるが, その報告例は最近増加してきており文献的考察を加え報告する.
著者
青山 美子 植田 康志 栗田 源彦 大橋 秀法 鳥潟 親雄 前島 一淑
出版者
公益社団法人 日本実験動物学会
雑誌
Experimental Animals
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.421-435, 1992

高周波電磁界の生体に及ぼす影響を検索することを目的として, 高周波電磁界の発生装置をウサギ耳介に装着し, 赤外線サーモグラフィによる皮膚表面温度, レーザードップラー血流計による皮膚血流量, ビデオマクロスコープによる細動静脈血管径の変化を測定した。周波数9MHzの高周波電磁界15分間照射によって, 局所の細動脈血管の拡張は認められなかったが, 明らかな皮膚表面温度の持続的な上昇, ならびに, 細静脈血管の拡張と血流量の増加傾向が観察され, 微小循環の亢進が確認された。又, モルモットに対する高周波電磁界の有害作用 (周波数9MHz, 1日8時間×30日間照射) は, 一般行動, 飼料摂取量, 体重, 臓器重量, 血液生化学値, 剖検所見, 組織学的所見では認められなかった。