- 著者
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鶴 清
広瀬 茂男
- 出版者
- 一般社団法人日本機械学会
- 雑誌
- ロボティクス・メカトロニクス講演会講演概要集
- 巻号頁・発行日
- vol.2008, pp."1A1-D20(1)"-"1A1-D20(4)", 2008-06-06
高所での危険な作業を人に代わって行う壁面移動ロボットの開発は活発に進んでいる。中でも,ロボットを鉄壁面に吸着しながら移動も行う吸着駆動方法の開発はブレイクスルーのひとつであり,現在,鉄製のガスタンク,原子炉壁の固定にはブロアー式と磁気吸着式が考えられるが,その内,外部に駆動系設備が要らない磁気吸着式が注目されているしかし,従来の磁気吸着式は,鉄面の溶接部,リベット部などの凹凸がある場合は吸着力が著しく減少してしまうことが壁面移動ロボットの発展の課題とされているまた,この凹凸を乗り越えて移動するロボットも研究されているが,永久磁石の強力な磁気吸着力を脱離する移動機構などを組み込んでいるため重量化して実用的でない.実用面を考慮すると人が手で持ち運びできる小型・軽量型で,溶接部やリベットなどの凹凸がある鉄板でも確実に吸着できる磁石ユニットがあると,鉄製構造物に吸着移動するロボットの吸着ユニットのとして有効である.現状で十分な吸着力がある吸着器に対する要望は依然として高いが,有効な吸着器の発表は未だない.そこで,このような課題を解決するために,永久磁石の磁気吸着力をばねの力に蓄えることで,可変位型の磁気吸着部を構成して,さらに全方向に移動可能できる磁気吸着型善方向移動ロボットの機構を組み込んだ新しい概念、のロボットの研究を進めてきたこの全容をFig.1に示す.本報告は,開発中の移動方法と構造を示す.