- 著者
-
森本 康裕
鶴田 俊介
坂部 武史
- 出版者
- 日本臨床麻酔学会
- 雑誌
- 日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
- 巻号頁・発行日
- vol.25, no.4, pp.378-386, 2005 (Released:2005-07-29)
- 参考文献数
- 17
脳動脈瘤に対しては開頭下に動脈瘤にクリップをかけるクリッピング手術が一般的であったが, 最近は血管内手術も増えてきた. 麻酔法としては, プロポフォールの登場で吸入麻酔薬あるいは静脈麻酔薬による麻酔維持の使い分けが可能になった. 脳動脈瘤手術は緊急手術となることが多く, まず患者の重症度や全身合併症を把握する必要がある. 麻酔のポイントは脳灌流圧と動脈瘤の経壁圧を保ち, 動脈瘤の破裂 (再破裂) を防ぎ, 脳の腫脹を抑え, 脳血管攣縮を予防することにある. 麻酔薬および麻酔関連薬の脳循環, 代謝への影響を理解し, 脳神経外科医と十分なコミュニケーションをとり個々の患者の病態に応じて適切な管理を行うことが重要である.