著者
倉増 啓 鶴見 哲也 馬奈木 俊介 林 希一郎
出版者
環境科学会
雑誌
環境科学会誌 = Environmental science (ISSN:09150048)
巻号頁・発行日
vol.23, no.5, pp.401-409, 2010-09-30
参考文献数
10

本研究では,経済指標,社会・人口統計上の指標および性格指標が幸福に与える影響をコントロールした上で,主観的幸福度指標が環境指標とどのような関係性にあるのかについて検証を行う。分析には,東京都および神奈川県で行ったサーベイデータ及び各サンプルの居住地における局所的な環境汚染のモニタリングデータを用いた。本研究で得た推計結果から,光化学オキシダント排出量の低減が主観的幸福度向上の可能性を有していることが示唆された。
著者
倉増 啓 鶴見 哲也 馬奈木 俊介
出版者
社団法人 環境科学会
雑誌
環境科学会誌 (ISSN:09150048)
巻号頁・発行日
vol.22, no.5, pp.362-369, 2009 (Released:2010-09-25)
参考文献数
10
被引用文献数
2

経済学の世界において,これまでは幸福を表す指標として効用が用いられてきたが,近年では包括的自己評価点として基数的計測が可能である主観的幸福度指標に利点を見出す研究が増えてきている。本研究では主観的幸福度指標を軸として,GDP,失業など経済の条件が幸福に与える影響を取り除いた上で,環境の条件が幸福とどのような関係性にあるのかについて検証を行う。先行研究でも扱われている環境汚染指標の浮遊粒子状物質(PM10)濃度と二酸化硫黄(SO2)排出量を分析の対象とし,さらに,先行研究では扱われていないエネルギー消費量,二酸化炭素(CO2)排出量といった地球全体に関わる指標についても検証を行った結果,PM10濃度および一人当たりSO2排出量の低減が主観的幸福度向上の可能性を有していることが示唆された。