著者
鷲見 裕史
出版者
独立行政法人産業技術総合研究所
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2011

本研究では、BaO-ZnO-P_2O_5 ガラスにおいて、添加元素や合成温度がリン酸構造やプロトン伝導性に及ぼす影響について詳しく調べた。Ba を Zn で置換するとリン酸分岐構造から直鎖構造に変化し、プロトン移動度が向上した。また、合成温度の低下に伴ってプロトン濃度が上昇した。800℃で合成した 30 mol%ZnO-70 mol%P_2O_5 ガラス電解質を用いて燃料電池を試作したところ、 250℃で 1×10^<-3>S/cm の導電率および 0.4 mW/cm^2の出力が得られた。ガラス構造は、プロトン伝導性に強く影響を及ぼすことが明らかになった。
著者
鷲見 裕史 倉知 清悟 廣山 徹 梅田 良人 大島 一典 垣内 博行
出版者
公益社団法人 化学工学会
雑誌
化学工学論文集 (ISSN:0386216X)
巻号頁・発行日
vol.35, no.3, pp.312-317, 2009-05-20 (Released:2009-05-27)
参考文献数
13
被引用文献数
1 1

本研究では,ゼオライト系吸着材を用いて,吸着器と蒸発/凝縮器を同一の容器に収納した一体型吸着式ヒートポンプユニットの評価を行った.蒸発/凝縮温度293 K,吸着温度303 K,脱着温度363 K,切り替え時間150 sの条件において,理論出力4.35 kW,COP 1.64に対して,今回試作した一体型吸着式ヒートポンプユニットでは出力3.27 kW,COP 1.37を得た.サイクル切り替え直後は熱交換器や吸着材などの顕熱による加熱が支配的となり,吸着熱や凝縮熱の生成速度が遅いため,切り替え時間を短くするとCOPが小さくなった.外気温が下がると蒸発性能が低下し,給水温度が高くなると吸着温度の上昇に伴って吸着量が減少するため,COPや出力が低下した.