著者
黄 清煕 伊熊 健一郎 戸田 一司 竹村 正 礒島 晋三
出版者
近畿産科婦人科学会
雑誌
産婦人科の進歩 (ISSN:03708446)
巻号頁・発行日
vol.30, no.3, pp.235-237, 1978

28才の経産婦で, 子宮外妊娠の診断のもとに開腹したところ, かつて右卵管峡部の外妊であったのが破裂ではなく完全に峡部より断裂し, 卵管采を含んだ末梢部が, そのまま腹腔内を遊走し, 胃下部の大網膜に移植して発育を続け, 他方断裂した子宮側卵管の断端は瘢痕化して索状となり, あたかも細い卵管と見誤る程きれいに修復きれていた非常に興味ある症例を経験した. 大網膜上に移植された卵管内部および移植部位より, 病理組織学的に明らかな絨毛が見られた.