- 著者
-
黒丸 尊治
中井 吉英
- 出版者
- 一般社団法人 日本心身医学会
- 雑誌
- 心身医学 (ISSN:03850307)
- 巻号頁・発行日
- vol.37, no.2, pp.127-133, 1997-02-01 (Released:2017-08-01)
- 参考文献数
- 10
サポーティブセラピーとは, その人の問題解決能力をうまく引き出し, 自分で問題解決ができるよう援助することで, QOLを高めようとする治療法である。ここでは, われわれが行っているがん患者のグループ療法や個人療法でのサポーティブセラピーの実際について述べた。これには(1)信頼関係の構築, (2)問題点の明確化へのサポート, (3)問題解決のためのサポート, がある。また(3)には, がんの代替療法といった情報提供によるサポートや, その人の心理的枠組みを変換することで, 問題を受け入れ可能なものに変える肯定的視点からのサポート, 死や再発の不安への対処法を示した実存的視点からのサポートがある。最後にPILテストを通して, がん患者の「生きがい度」についても述べた。