著者
石原 和子 鷹居 樹八子 半澤 節子 永田 耕司 黒岩 かおる
出版者
長崎大学
雑誌
長崎大学医学部保健学科紀要 (ISSN:09160841)
巻号頁・発行日
vol.14, no.2, pp.85-92, 2001-12
被引用文献数
1

看護学科の「カウンセリング特論」授業において,模擬患者(Simulated Patient:SP)を導入し看護面接場面を3場面設定しロールプレイ演習を行った.演習の評価を,半構成的質問紙調査により把握した結果,次のように要約された. 1.SPとのロールプレイ演習において,「傾聴と共感」,「チューニング」,「アンカリング」,「ポジティブ・メッセージ」といったコミュニケーション技法が効果的に使用された. 2.SPからのフィードバックは,演習に参加した学生にとってプラスの動機付けとなった. 3.自由記載欄をKJ法により内容分析を行った結果,「看護方法の学び」,「参加した感想」,「これからの授業に対する要望」の3分野と8つの内容に分類された.8つの内容は,「看護者からの質問の仕方」,「患者の奥にあるものに触れること」,「意欲や希望への働きかけ」,「大丈夫,頑張ってという励ましの働きかけ」,「具体策を考えるということ」,「看護者の基本的態度」,「沈黙をどう考えるか」,「SPの気持ちから」であった. 4.参加した感想では,「客観的に看護面接場面を評価できたので良かった」,「客観的に場面を観てどうすれば良いかを考える機会になった」,「これから看護職として仕事をする上で大変参考になった」等の効果があった. 5.SPを授業に取り入れることや看護面接演習を臨地実習の前に要望していた.