著者
田代 隆良 浦田 秀子 岩永 喜久子 辻 慶子 半澤 節子 鷹居 樹八子 宮原 春美 宮下 弘子 石原 和子
出版者
長崎大学
雑誌
長崎大学医学部保健学科紀要 (ISSN:09160841)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.51-55, 2003-06
被引用文献数
1

長崎大学医療技術短期大学部看護学科では,B型肝炎防止対策として平成2年度からHBs抗原・抗体の測定を実施し,平成10年度からはHBs抗原・抗体陰性者に対するB型肝炎ワクチン接種を行っている.平成2年度から13年度までの入学生932名のHBs抗原陽性率は0.54%,HBs抗体陽性率は1.82%であった.B型肝炎ワクチン接種は315名に行い,3回のワクチン接種による抗体獲得率は97.8%であった.抗体を獲得しなかった6名に追加接種を行い,4名がHBs抗体陽性となったが,抗体価は低かった.また,ワクチン接種後の経過を追跡した76名では,3年次に8名(10.5%)がHBs抗体陰性となった.Antigen and antibody tests for hepatitis B (HB) have been conducted from 1990 to 2001, and HB vaccination has been performed from 1998 to 2001 to the student nurses in School of Allied Medical Sciences, Nagasaki University. The overall positive rates of HBs antigen and HBs antibody were 0.54% and 1.82%, respectively, in 932 students. The seroconversion rates in 315 students who received 3 shots of HB vaccine, was 97.8%. Additional vaccine inoculation to nonresponders showed seroconversion in four of six, but HBs antibody titers were low. HBs antibody returned to negative in 8 (10.5%) of 76 at 3rd grade who acquired HBs antibody by vaccination at 1st grade.
著者
半澤 節子 石原 和子 永田 耕司 黒岩 かをる
出版者
長崎大学
雑誌
長崎大学医学部保健学科紀要 (ISSN:09160841)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.75-80, 2002-06
被引用文献数
1

従来,模擬患者(Simulated Patient=SP,以下SPと略す)を導入した演習は,医学生による医療面接や看護学生による看護場面など個別に試みられてきている.今回本学では,SPを導入した看護学生と医学生による合同演習を初めて試みた.SPの面接場面には,父親の癌について母親から情報を受けた長女が,医療スタッフに父親の病状を確認する場面を設定した. 演習終了後アンケート結果の自由記載欄の記述から,看護学生は長女の気持ちを汲み取り,理解のある態度で接することが大切であると記載したものが多かった.一方,医学生はその場面を観察し,家族の気持ちを理解しながらも,データに基づいて現時点での治療方法について科学的に説明する必要があると記載したものが多かった.
著者
石原 和子 茶屋道 拓哉 増田 安代 永田 俊明 徳永 淳也
出版者
日本保健福祉学会
雑誌
日本保健福祉学会誌 (ISSN:13408194)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.1-11, 2010-11-30 (Released:2017-09-15)

精神科治療領域におけるインフォームド・コンセント(以下IC)に関わる熟練看護師の実践的知識を明らかにし、その過程を概念構造化することを目的とした。研究デザインは、グラウンデッド・セオリー・アプローチ(GTA)で、分析手法はStrauss&Corbin 1988版に準拠した。対象者8名は、女性6名と男性2名であり、年齢30〜54歳(平均43)、臨床経験年数10〜34年(平均22.7)、精神科経験年数のうち慢性期病棟6〜28年(平均14.7)、急性期病棟0.5〜11.5年(平均3.6)であった。分析の結果、《関係性の構築》、《コミュニケーション》、《信頼性の構築》、《服薬の導入と協働》、《セルフケアと社会性》、《退院への環境調整》と6つのカテゴリの基盤となる《チームアプローチ》を導き出した。ICにおける熟練看護師の根底に人間の尊厳を重んじる実践的知識が明らかになった。
著者
石原 和子 鷹居 樹八子 半澤 節子 永田 耕司 黒岩 かおる
出版者
長崎大学
雑誌
長崎大学医学部保健学科紀要 (ISSN:09160841)
巻号頁・発行日
vol.14, no.2, pp.85-92, 2001-12
被引用文献数
1

看護学科の「カウンセリング特論」授業において,模擬患者(Simulated Patient:SP)を導入し看護面接場面を3場面設定しロールプレイ演習を行った.演習の評価を,半構成的質問紙調査により把握した結果,次のように要約された. 1.SPとのロールプレイ演習において,「傾聴と共感」,「チューニング」,「アンカリング」,「ポジティブ・メッセージ」といったコミュニケーション技法が効果的に使用された. 2.SPからのフィードバックは,演習に参加した学生にとってプラスの動機付けとなった. 3.自由記載欄をKJ法により内容分析を行った結果,「看護方法の学び」,「参加した感想」,「これからの授業に対する要望」の3分野と8つの内容に分類された.8つの内容は,「看護者からの質問の仕方」,「患者の奥にあるものに触れること」,「意欲や希望への働きかけ」,「大丈夫,頑張ってという励ましの働きかけ」,「具体策を考えるということ」,「看護者の基本的態度」,「沈黙をどう考えるか」,「SPの気持ちから」であった. 4.参加した感想では,「客観的に看護面接場面を評価できたので良かった」,「客観的に場面を観てどうすれば良いかを考える機会になった」,「これから看護職として仕事をする上で大変参考になった」等の効果があった. 5.SPを授業に取り入れることや看護面接演習を臨地実習の前に要望していた.