著者
山根 一郎 飯泉 茂 黒崎 順二 佐藤 和夫 菅原 亀悦
出版者
日本草地学会
雑誌
日本草地学会誌 (ISSN:04475933)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.90-96, 1962-09-30

(1)強酸性の石灰,燐酸の欠乏のはげしい腐植質火山灰土壌の山地草原において羊を用いた牧草地造成を小規模に1961年に試みた。(2)野草の不足,群れからの孤立,年令の若すぎたことなどから羊の体重は40日間に増加を示さなかつた。(3)羊の放牧によつて牧草地を造成することに成功した。
著者
黒崎 順二 園田 立信 小野 茂 松山 宏 山中 将弘
出版者
日本草地学会
雑誌
日本草地学会誌 (ISSN:04475933)
巻号頁・発行日
vol.28, no.3, pp.324-329, 1982-10-28
被引用文献数
4

牛を高温環境で放牧する場合の管理法を究明する一環として,高温時における放牧行動の実態並びに高温時の放牧と呼吸数との関係を調査した。調査には宮崎大学住吉牧場のホルスタイン種の搾乳牛を用い,草地はバヒアグラスの優占草地で,10時30分から16時30分まで放牧し,調査を行なった。主要な調査結果は以下のとおりであった。1.6月下旬,7月および8月には,気温がそれぞれ27.0〜30.5℃,31.5〜35.0℃および29.5〜31.0℃の高温となり,このため牛は牧草地における採食と庇蔭林内における休息とを頻繁に繰り返し,放牧時間内における採食時間の割合が非常に少なくなった。これに対し,6月上旬,9月および10月の気温は,それぞれ24.5〜27.0℃,24.5〜27.0℃および21.0〜26.0℃で,採食と休息との繰り返しはほとんどみられず,また放牧時間の大部分が採食時間で占められるなど,高温時とは著しく異なった行動を示した。2.休息時の呼吸数は高温時期の6月下旬,7月および8月が6月上旬および9月よりも多くなり,10月はそれらよりも少なかった。その高温時には休息時間の経過に伴って呼吸数が著しく少なくなった。また,採食から休息に変るときは呼吸数が増加し,休息から採食に変るときは減少していたが,それらの呼吸数の変異は大きく,一定していなかった。このことは呼吸数自体が採食を阻害していないことを示す例証と考えられた。採食中の呼吸数は,季節的および個体的差異がみられるが,同一季節で同一個体の呼吸数はほぼ一定で大きくは変動しなかった。