著者
黒川 知文
出版者
日本宗教学会
雑誌
宗教研究 (ISSN:03873293)
巻号頁・発行日
vol.79, no.2, pp.475-498, 2005-09-30 (Released:2017-07-14)

十字軍、レコンキスタ、フス戦争と近代以後に起きた諸宗教戦争は、宗派対立型、教派対立型、政治対立型に類型化することができる。その本質構造は、社会的危機、経済的危機、政治的危機、宗教的危機等の危機状態になった時に、宗教に民族主義が結合して、排他的教説が採用されると、排他的戦争へと変容するということにある。排他的教説とは、二項対立論と悪魔との「聖戦」論と終末における戦争論であり、キリスト教においては、その救済論と人間論と終末論から生起したと考えられる。民族紛争における宗教の要素は宗教戦争のそれとはかなり異なっていると推定される。
著者
黒川 知文
出版者
日本宗教学会
雑誌
宗教研究 (ISSN:03873293)
巻号頁・発行日
vol.79, no.2, pp.475-498, 2005-09-30

十字軍、レコンキスタ、フス戦争と近代以後に起きた諸宗教戦争は、宗派対立型、教派対立型、政治対立型に類型化することができる。その本質構造は、社会的危機、経済的危機、政治的危機、宗教的危機等の危機状態になった時に、宗教に民族主義が結合して、排他的教説が採用されると、排他的戦争へと変容するということにある。排他的教説とは、二項対立論と悪魔との「聖戦」論と終末における戦争論であり、キリスト教においては、その救済論と人間論と終末論から生起したと考えられる。民族紛争における宗教の要素は宗教戦争のそれとはかなり異なっていると推定される。