著者
黒川 貴志 勝平 純司 丸山 仁司
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.25, no.4, pp.589-594, 2010 (Released:2010-09-25)
参考文献数
29
被引用文献数
2

〔目的〕本研究の目的は,脊柱後弯を呈する高齢者の歩行の特徴を明らかにすることである。〔対象〕健常高齢者12名と脊柱後弯を呈する高齢者12名の24名とした。〔方法〕脊柱後弯の定量的指標として円背指数を用いて2群(健常群,脊柱後弯群)に分けた。運動学,運動力学的歩行計測のために,赤外線カメラ12台を含む三次元動作分析装置と床反力計6枚を用いた。計測条件は,自由速度とし,歩行動作を3回計測できるまで計測を繰り返した。〔結果〕脊柱後弯を呈する高齢者は立脚後期の股関節外転モーメントピーク値が減少した。また骨盤後傾と回旋角度が増大した。〔結語〕脊柱後弯を呈する高齢者の姿勢のアライメント変化は,前額面上の力学的変化を及ぼしていることが明らかになった。