著者
黒木 雅美
出版者
学校法人 天満学園 太成学院大学
雑誌
太成学院大学紀要 (ISSN:13490966)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.87-91, 2017 (Released:2017-04-20)
参考文献数
3

精神看護は癲狂院という独自の環境の中で発展し,時代に翻弄され,社会的な背景が色濃く関連している。そして、精神障がい者における処遇は、歴史的に繰り返され,国としての施策の結果,明治期における医療体制の改革として西洋文化を取入れたことにより始まった。精神看護においてもその萌芽が目覚め始め,精神障がい者に対する看護が息吹をあげ始めた。また,「相馬事件」を契機に,全国的に統一した「精神病者監護法」が成立し,精神病者への治安維持的要素が強まるなか,精神看護教育が始まったことで,精神病者に対する人道的な関わりが始まったものと考えられる。