著者
黒瀬 能聿 矢野 米雄 冨田 豊
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.80, no.4, pp.933-942, 1997-04-25
被引用文献数
21

近年のコンピュータ化により, 大学におけるCAD教育としては, 2次元CADシステムによる単なる製図教育にとどまるのではなく, 3次元CAD教育の必要性が叫ばれている. 3次元CADでは, より自由な形状設計を行うために, 自由曲線や曲面の取扱いが重要なテーマの一つである. 筆者らは, これまで3次元CAD教育を進める上で, 学習者にとって理解が困難であると考えられる自由曲線や曲面の創成教育を支援するシステムを提案した. しかし, これまでのシステムはパーソナルコンピュータによるスタンドアローン環境であり, 教材管理の困難さ, 学習履歴収集の困難さ, マルチメディア化の困難さ等の問題点があった. 一方, 近年のインターネットの普及には目を見張るものがあり, マルチメディア化が可能なインターネットを教育に利用する試みも各地で開始された. インターネットを利用することで, 我々のシステムの問題点は解決する. 本論文では, インターネットを利用した学習支援システムを提案する. 本システムは, インターネット上で展開することで, 大学内だけの利用にとどまらず, 広く学内外からの利用が可能になった.
著者
五十嵐 治一 黒瀬 能聿 五百井 清
出版者
芝浦工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

ロボット・フィールド上方に般若したビデオカメラ(グローバルビジョン),ホストPC1台(画像処理サーバ,通信中継サーバ,リモートブレイン用プログラム),ホストPCに内蔵された画像キャプチャーボード,ロボット5台から構成されるロボットシステムを構築し,次の4つの研究を行った.第1に,ロボットのマーカ認識において,照明条件に頑健な色抽出法の研究を行った.この目的のために,背景色(床画の緑色)とマーカの色(黄と青の2色),ボールの色(オレンジ)の閥値データベースを利用した方式を考案し,評価実験を行った.特に,濃い影の領域を人工的に生成し,影の存在するロボット・フィールド上での3色の抽出も試みた.実験では,商い正抽出率と,低い誤抽出率が得られ,提案方式の有効性を確認することができた.第2に,ロボス社製の4輪全方向走行型ロボットを使用して,走行制御の学習法に関する研究を行った.学習法としては強化学習の一種であるQ学習を用いた.具体的な例題として,ロボット1台が静止状態から目標点へ直進するタスクを取り上げて学習実験を行った.実験の結果,直線軌道の角度誤差を半減させるという効果を得ることができた.第3に,マルチエージェント・システムにおける行動学習法として,方策勾配法を用いた学習方式を考案した.応用例として,獲物と複数ハンターとによる「追跡問題」,カーリングにおける簡単な2体力学問題の逆間題,サッカーエージェントにおけるキッカーとレシーバとの協調行動問題を取り上げて,学習実験を行い,その有効性を検証した.第4に,移動ロボットの誘導制御に用いるために指示位置情報が取得可能な小型ポインティング装置を開発した.