著者
矢野 謙典 松浦 健二 緒方 広明 矢野 米雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.682, pp.179-186, 2001-03-03
被引用文献数
2

近年, 高度遠隔講義支援に関する研究やサイバースペース上での仮想教室の実現が注目を集めている. 我々は, "いつでも", "どこでも", "だれでも"参加できる講義・教室型の非同期仮想教室(AVC: Asynchronous Virtual Classroom)の提案を行ってきた. AVCは, ビデオ映像を中心としたマルチメディア教材と非同期コミュニケーション支援環境を併せ持つ. その特徴として, 非同期的に参加する他学習者・講師等をモデル化し, 凝人化エージェントとして学習空間に配置・行動させることで擬似的な同期学習環境の実現を試みる. 本稿では特に, XMLを用いた凝人化エージェントの行動管理手法及び, その3次元仮想教室環境下での表現手法について述べる.
著者
後藤田 中 松浦 健二 鍋島 豊晶 金西 計英 矢野 米雄
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.269-277, 2010
参考文献数
22
被引用文献数
1

近年の健康志向を反映し,日常的な運動の役割が増している.本研究では,その支援の一端として,ナワトビプロジェクトと称し,ナワトビ学習を対象としたSNS(Social Networking Service)を設計,構築した.具体的には,SNSに映像日記機能を組み込んだ上で,(1)映像から得られる特性に応じた記事推薦エージェントのメッセージ,(2)映像記事間のトラックバックによるスキルの関係グラフの2つの機能を実装した.本研究は,これらのスキル開発支援に対し,個別の映像記事閲覧の機会増加,異なるスキルの関連性を全体像として俯瞰する意識の向上につながることを示す.提案に対して実験を行った結果,アクティブユーザにおける閲覧割合の向上,また異なるスキルの関連性に対する意識に一定の効果が確認された.
著者
緒方 広明 矢野 米雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.45, no.10, pp.2354-2363, 2004-10-15
被引用文献数
9

本論文では,ユビキタスコンピューティング環境において,学習者個人個人にあった形RTRPL(right time and right place learning)で,適応的に日常的な学びを支援するユビキタスラーニング環境を提案する.特に言語学習は,辞書やテキストを用いた学習だけでなく,日常生活で獲得される部分も大きいと考えられており,本論文では言語学習を対象としたユビキタス学習環境CLUEを提案する.具体的には,CLUEは3つのサブシステムからなる.1つ目は,学習者が日常生活の経験で得た知識を共有し,RTRPLを促す,用例学習支援システムである.2つ目は,学習者の対話相手や周りの状況を把握し,それに合わせて適切な待遇表現を提示する,待遇表現学習支援システムである.3つ目は,RFIDタグを日用品につけ,日常生活の中で単語学習を支援するシステムである.本論文では,これらのシステムの開発と利用実験について述べる.This paper proposes a ubiquitous learning environment that supports daily learning at the right time and at the right place (RTRP) in ubiquitous computing environments. Especially, it is said that language is acquired in everyday learning (outside school) rather than using dictionaries and textbooks (inside school). Therefore, this paper proposes a computer-supported ubiquitous language learning environment called CLUE (Collaborative-Learning support-system in Ubiquitous computing Environments). CLUE consists of three subsystems. The first system supports sentence learning, which provides the useful expressions at the right place at the right time. The second system helps polite expression learning. In Japan, there are four levels of polite expressions. This system provides the right level of politeness, deriving from personal information of another person and user's situation. The final system supports learning vocabulary, which detects the objects around learner using RFID tag, and provides the learner the right information at the moment. This paper describes the implementation and experimentation of those systems.
著者
仁木 啓司 松浦 健二 後藤田 中 金西 計英 矢野 米雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.583, pp.139-144, 2007-03-02
被引用文献数
2

近年,パワーポイントによるスライド教材を利用した講義が多くなってきている.しかし,スライド教材での授業を行う場合,授業中は教員から学習者への一方向的な授業になるケースも多い.また,パワーポインドを単にWebコンテンツとして学習者に対して,一方的に配布するだけでは,スライド教材の特徴を十分に生かし切れていないと思われる.そこで,本研究では授業中に用いたスライド教材を,学習者自身が自由にカスタマイズし,それを通じて学習内容だけでなく表現手法の向上も行える学習環境を提案する.
著者
北 研二 小倉 健太郎 森元 逞 矢野 米雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.34, no.9, pp.1937-1943, 1993-09-15
被引用文献数
30

自然言語処理では、形態素レベルにおける曖昧性や統語的な曖昧性などさまざまな曖昧性に対処する必要がある。このような曖昧性を軽減するための実際的な方法の一つに、慣用表現や定型表現等の複合的な表現を一つのまとまりとして処理することがあげられる。近年、世界各地で大規模コーパスの構築が行われており、大量な言語データが容易に手に入るようになってきている。本論文では、頻繁に使用される定型的な表現をコーパスから自動的に抽出する基準として「仕事量」という概念を導入する。仕事量は、いくつかの単語を一まとまりの単位と考えることにより、各単語を別個に処理するよりも、どれだけの処理が削減できるかということを定量的に測る尺度である。また、仕事量基準を用いた定型表現の自動抽出方法について述ぺ、提案した方法を実際の日本語のコーパスに適用することにより、その有効性を示す。また、コーパスから抽出された定型表現を形態素解析に組み入れることにより、単語区切りや単語誤りをはじめとする形態素レベルの誤りを削減できることを示す。
著者
金西計英 松浦 健二 大家 隆弘 三好 康夫 佐野 雅彦 大恵俊一郎 矢野 米雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.101, pp.1-6, 2005-10-14
参考文献数
7
被引用文献数
2

現在,高等教育機関において,学内の様々な情報を有効利用するため,分散されたデータベースを共有し,利用者の属性に適応的に振る舞う,WEBベースのシステムが導入されている.現状のさまざまな大学ポータルシステムを俯瞰しながら,大学ポータルシステムの定義をおこない,徳島大学で我々が導入した大学ポータルの概要とその運用について報告する.Presently, in order to promote on-campus computerization, the introduction of the university information portal has been advanced in higher education institutes. There are many university information portals. In this paper we propose a model for the university information portal. In this paper, the information portal of Tokushima University is taken as a case example and the problems of its development and operation are examined. The practice use is shown following the explanation of the method for sharing the contents. It is shown that our portal is within the range of practical use though the accomplishment of the usage is still small in number.
著者
牛田 貴之 折田 憲治 松本 達也 緒方 広明 矢野 米雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.697, pp.43-48, 2003-02-28
被引用文献数
1 3

近年の携帯端末の普及・発展により,それらは我々にとって身近になった.それにともない学習者はいつでもどこでもインターネットにアクセスできるようになり,インターネットと携帯端末による,新たな学習の形態も現れはじめている.しかし,現状は個人学習に携帯端末を用いることにしか使われておらず,他の学習者と協調的に学習を進める,という形態は取られていない.そこで我々は,他の学習者と協力して学習を進めるためのワイヤレス・モバイル端末を用いたユビキタス協調学習環境を提案する.
著者
黒瀬 能聿 矢野 米雄 冨田 豊
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.80, no.4, pp.933-942, 1997-04-25
被引用文献数
21

近年のコンピュータ化により, 大学におけるCAD教育としては, 2次元CADシステムによる単なる製図教育にとどまるのではなく, 3次元CAD教育の必要性が叫ばれている. 3次元CADでは, より自由な形状設計を行うために, 自由曲線や曲面の取扱いが重要なテーマの一つである. 筆者らは, これまで3次元CAD教育を進める上で, 学習者にとって理解が困難であると考えられる自由曲線や曲面の創成教育を支援するシステムを提案した. しかし, これまでのシステムはパーソナルコンピュータによるスタンドアローン環境であり, 教材管理の困難さ, 学習履歴収集の困難さ, マルチメディア化の困難さ等の問題点があった. 一方, 近年のインターネットの普及には目を見張るものがあり, マルチメディア化が可能なインターネットを教育に利用する試みも各地で開始された. インターネットを利用することで, 我々のシステムの問題点は解決する. 本論文では, インターネットを利用した学習支援システムを提案する. 本システムは, インターネット上で展開することで, 大学内だけの利用にとどまらず, 広く学内外からの利用が可能になった.
著者
戸川 聡 金西計英 矢野 米雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.42, pp.61-66, 2006-05-12
被引用文献数
4

Peer-to-Peer(P2P)型通信によるファイル共有が問題となっている.著作権法で保護された著作物をファイル化し共有することも当然ながら,ファイル共有コミュニティへの機密情報流出が社会問題化している.これらの状況から,大学や企業のキャンパスネットワークではP2Pファイル共有を禁止している.しかし現実にはP2Pファイル共有が行われている場合がある.これを制限する場合,既存のフィルタリング技術では実現が困難であり,結果として管理者はトラフィックを常時監視し,P2Pファイル共有通信の存在を認識しなければならない.本稿では,ネットワーク管理者が行うP2Pファイル共有通信の検出作業を支援するシステムを構築した.そして,実際にP2Pファイル共有プログラムが発するトラフィックを含む全体のトラフィックを可視化し,有効性を検証した.ln this research, we have proposed the assistance system for peer-to-peer traffic detection. Recently, an illegal file has been exchanged with peer-to-peer file exchange software. These files are extracted from music CD and DVD. Most files do not obtain the copyright person`s approval and are open to the public. Neither enterprise nor the Campus Network user of the university must acquire these files from the problem in morality. However, the illegal file is actually acquired via Campus Network. The network administrator should observe the users`peer-to-peer commumcation. In this paper, first of all,We explain a problem of peer-to-peer file sharing system. Next,we explain the assistance system for peer-to-peer file sharing traffic detection. Finally, we conclude it.
著者
矢野 米雄 YANO Yoneo
出版者
徳島大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1991

我々は外国人向け日本語教育のための漢字辞書として電子漢字辞書“漢字林"と電子漢字熟語辞書“KIDS"の試作を行なった.漢字林は,漢字に意味や発音を継承する部分構造に着目した電子漢字辞書である.従来の漢字データベースは,漢字の構造上の特徴に着目するため,漢字の表意文字としての知識表現は困難である.我々は常用漢字1945文字に対して漢字の意味や発音に継承する部分構造を整理した.これらの部分構造を用いて漢字を表現し,種々の条件検索が可能で,継承する属性に着目した知識検索可能な漢字知識ベースを持つ電子漢字辞書“漢字林"を試作した.漢字林ではキーボード入力によらず直接操作でき,誤操作に対するシステムの助言や漢字候補を絞り込む検索操作に対する前状態への復帰の機能を持つ環境を実現した.さらに漢字の知識の少ないユーザが単純な部分構造から複雑な部分構造をたどり目標の漢字を簡単に検索できる環境を実現した.漢字林はSONY製EWS NWS-3865上に構築した.KIDSは外国人の漢字熟語学習を支援する電子漢字熟語辞書である.漢字熟語を学習する外国人は自分がどの漢字熟語を学ぶ必要があるか理解している場合が多く,また漢字熟語を広く浅く学ぶのではなく,必要な漢字熟語を中心に関連する漢字熟語を覚えるといわれる.この学習スタイルに対し,一般的なCAI教材ではなく,学習者に高い自由度を与える形態の電子辞書の枠組みが適すると考える.我々は(1)漢字熟語と構成漢字の関係の知識検索,(2)構成漢字間の関係の知識検索,(3)漢字熟語の属性を利用した関連語検索が可能な電子辞書システムを提案する.さらにKIDSの特長は検索専用の電子辞書だけではなく漢字熟語知識の挿入・削除によるユーザカスタマイズ機能を持ち拡張性の高い知識ベースの枠組みを採用する.KIDSはSONY製EWS NWS-1750上に構築した.さらに我々は漢字林やKIDSを知識ベースとして利用する漢字学習CAIシステム“漢字工房"および漢字熟語学習CAIシステム“熟限無(JUGAME)"を構築した.
著者
緒方 広明 矢野 米雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.80, no.4, pp.874-883, 1997-04-25
被引用文献数
40

本論文では, ネットワークを利用した開放型グループ学習支援システムにおいて, 協調学習の誘発を支援する Knowledge Awareness (KA) を提案し, その試作システムであるSharlok (<Shar>_____-ing, L__-inking, and Lo__-oking-for K__-nowledge) について述べる. Sharlokは, ネットワークで結ばれた各学習者が, 知識を蓄積しあい, それに関して討論が行えるオープンな学習環境である. KAは, "知識に気づく" という意味であり, 共有データベースにおける学習者の行動履歴を利用して, 討論のきっかけとなる知識の存在や学習者の存在に気づかせる. KAを提供し, 討論を誘発することにより, 学習者は, 意欲的に学習し, 共有データベースは洗練化され, 成長していく最後に, 本論文では, 試作システムの評価を通じて, KAの有効性を示す.
著者
光原 弘幸 森山 利幸 山田 佳幹 金西 計英 矢野 米雄
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.191-200, 2010
被引用文献数
4

本研究では,ノートテイキング支援として,AR(Augmented Reality)技術を用いてノートとデジタル教材を融合するPaper-Top Interface(PTI)を設計・開発する.PTIは,ノートの各ページに貼付したビジュアルマーカをビデオ映像から検出・認識し,対応するデジタル教材をプロジェクタでノートに投影する.これにより,学習者は授業中に教材内容を書き写さなくてよくなり,学習内容をアノテーションとしてノートに書き留めることが促進される.比較実験から,PTIがノートテイキングの負担を軽減し,学習者に受け入れられることが示唆された.
著者
岡本 竜 矢野 米雄
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学雑誌 (ISSN:03855236)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.61-71, 1995-09-20
参考文献数
11
被引用文献数
10

従来の会話シミュレーションに基づく英会話学習システムでは,典型的なモデル会話を繰り返すスキット学習が多く,教育的支援は会話中断による教育的対話への切り替え方式が中心であった.この方式は,学習者は受動的な学習を余儀なくされ動機付けの面からも好ましくない.また,会話文脈が固定的であるため,システムのシミュレーション介入による積極的な教育支援も困難である.我々は明示的な教育的対話への切り替えを行わず,学習者に試行錯誤による現実感を伴った学習を行わせる対話グラフによる知識表現を提案する.本知識表現によるシミュレーションでは,学習者主導の対話進行のなかで,システムによる対話進行制御による教育的支援が可能である.本論文では,英会話学習を対象とした環境型知的CAIシステムにおける会話シミュレーションの実現のための,会話の構造化と知識表現について論ずる.
著者
嵯峨山 和美 久米 健司 金西 計英 松浦 健二 三好 康夫 松本 純子 矢野 米雄
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.32, pp.53-56, 2008
参考文献数
8
被引用文献数
4

近年,SNSは大学生間の新しいコミュニケーションの形として紹介されている.我々は,大学生活を支える新たな学生支援のツールとして2007年1月23日から徳島大学工学部を中心に「キャンパスSNS」の運用を開始した.本研究では,本SNSのログデータを抽出し,参加者の属性を明確に分類したうえで,大学版SNSの特性と学生の動向とを解析した.日記関連の機能に焦点を当てたところ,学生は不特定多数のユーザの最新日記を確認するより特定のユーザの日記を読む割合が高く,仲間同士の閉じたコミュニケーションで終始しまいがちであることが示唆された.明確な目標を掲げて運営側が構造化した形を提示することの必要性が推測された.
著者
後藤田 中 松浦 健二 大塚 真二 鍋島 豊晶 金西 計英 矢野 米雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.93, no.7, pp.1144-1153, 2010-07-01

近年,予防的な健康への取組みが重視され,人の日常的な運動の役割は増している.本研究では,そうした運動の代表といえるジョギングに注目する.個人での日常的な実世界トレーニングに対して,オンラインのコミュニティ空間での集団訓練環境を提案する.本システムは,GPSを用いて個々のトレーニング活動ログを蓄積し,同じコースを非同期に共有するジョガー間での競争的なシミュレーション機能を提供する.具体的には,複数のジョガーをアバタとして表現し,それらのペース変化を地図上の移動アニメーションを用いて視覚化する.また,移動アニメーションを見た際の気づきを地図上にアノテーションとして蓄積できる機能を提供する.これにより,ジョガーのパフォーマンス向上を促進させる目的をもつ.これらの提案機能をもつジョギング支援システムを構築し,実験を行った.実験の結果から,オンラインコミュニティ空間での競争的な訓練環境が,実世界におけるトレーニングにおけるタイム短縮につながった.特にアノテーションの登録箇所を中心に局所的なペース改善の効果も確認された.
著者
川崎 桂司 越智 洋司 アヤラ ヘラルド 緒方 広明 金 群 矢野 米雄 林 敏浩 野村 千惠子 河野 南代子
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.95, no.604, pp.33-40, 1996-03-23

本稿では状況.発音.意味.使い方.感覚等に着目した擬態語・擬音語辞書システムJAMIOSについて述べる.日本人は擬態語や擬音語を頻繁に用いる傾向がある.しかしこれらの語は,日本語独特の表現であり感覚的な語なので,日本語を学習する外国人にとって理解が困難である.そこでJAMIOSは,(1)使用する状況をマルチメディア情報を用いて提示し,その状況や発音形態を変化させることで検索が進められる,(2)擬態語・擬音語の特徴に沿った様々な知識や関連語を検索できる,(3)例文を利用して日本語中での使い方を提示する等の特徴を持つ.
著者
越智 洋司 川崎 桂司 矢野 米雄 林 敏浩
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.80, no.12, pp.3210-3219, 1997-12-25
被引用文献数
1

本論文では, 外国人の擬態語・擬音語学習を支援する辞書システム JAMIOS (Japanese Mimesis and Onomatopoeia Dictionary System) について述べる. 日本人は擬態語や擬音語を頻繁に用いる. しかしこれらは, 日本語独特の表現であり感覚的な語のため, 日本語を学習する外国人にとり理解が困難である. そこで, 我々は状況・発音・意味・使い方・感覚などに着目し, 擬態語・擬音語知識を表現した. JAMIOSは, (1)使用する状況をマルチメディア情報により提示し, その状況や発音形態を変化させることで関連語の検索できる, (2)擬態語・擬音語の特徴に沿ったさまざまな知識や関連語を検索できるなどの特徴をもつ.
著者
金西 計英 矢野 米雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.79, no.2, pp.227-240, 1996-02-25
被引用文献数
10 3

我々は, 説明のもつ学習効果, 第三者に説明することにより説明の当事者が多くのことに気づく現象に着目し, 学習者が自分自身の問題解決について述べる自己説明の働きを利用した教育システムを開発した. 我々が開発した教育システムは, 計算機上で学習者が他の学習者に説明を行う擬似環境を与える. 学習者は自己説明環境の下で, 説明を繰り返し行う. 自己説明の繰返しは, 内省を活性化することになり学習効果が上がる. システムは,学習者の説明を評価し, 学習者にアドバイスを与える. 学習者の説明は, アドバイスを受けることにより, 変化する. 我々は, この変化を説明の洗練と呼び,システムによる学習者の説明の洗練方法について示す. 最後に, 自己説明について行った実験について述べ, 我々の提案したモデルについて考察する.
著者
北 研二 林 敏浩 矢野 米雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.93, no.60, pp.67-74, 1993-05-22
被引用文献数
1

従来のAI手法に基づいた言語学習システムでは、システムの扱える領域が狭い範囲に限られており、システムの持っている知識も人手に頼って作られてきたために統一性に欠けるなど様々な問題点を抱えていた。本稿では、従来型のシステムの持つこれらの問題点を打開することのできる、新しい言語学習のパラダイムーコーパスに基づいた言語学習(corpus-based language learning)-を提案する。「コーパスに基づいた言語学習」は様々なテーマを包含するきわめて肥沃なパラダイムであるが、本稿では特にコーパスからの知識獲得に焦点を絞る。我々は、「効率的な言語表現」と呼ばれる概念を導入し、これらの表現をコーパスから自動抽出する方法について述べる。「効率的な言語表現」は、人間の言語活動において広い範囲をカバーすることのできる表現であり、言語学習システムが初心者にまず教えなければならない重要な表現であるといえる。