著者
駒沢 勲 黒見 眞 東稔 節治
出版者
公益社団法人 化学工学会
雑誌
化学工学論文集 (ISSN:0386216X)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.223-229, 1987-03-10 (Released:2009-11-12)
参考文献数
8
被引用文献数
3 4

ロイコマイシンA5, ノルエフェドリンおよびフェネチルアミンのような弱塩基性の生理活性物質の水溶液pH調整による物理抽出および逆抽出を行った.有機溶媒として酢酸ブチルおよびクロロホルムを用いた.各抽質の分配データから酸解離定数および分配係数を求めた.各抽質のカチオンと有機リン酸抽出試薬HDEHPとの錯体形成による化学抽出も行った。抽出試薬の保持率全域に適用できる抽出平衡式を求めた.いずれの抽質に対しても抽出種はHAX・2(HX), HAX・(HX) およびHAXの3種類で統一的に表現できる.ここでHXおよびAはHDEHPモノマーと塩基性物質を表す.ノルエフェドリンとフェネチルアミンの抽出特性は化学抽出の導入によって大きく向上する.しかし, ロイコマイシンは逆抽出をロイコマイシンカチオンが不安定となるpH域で実施するため有利ではない.