著者
齊藤 英樹 佐野 昭
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. A・P, アンテナ・伝播 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.457, pp.41-46, 2003-11-14
被引用文献数
1

近距離無線通信でアレーアンテナを用いる場合,入射波の平面波という仮定が妥当でなくなる.つまり,従来のMUSICやESPRITなどの到来方向推定アルゴリズムを適用すると精度が劣化する.このような近傍マルチパス環境において有効な到来方向推定アルゴリズムがなく,本報告では最尤推定に基いて入射波の到来方向だけでなく,アレーアンテナからの距離推定も行う手法を提案する.局所最小解の問題に関しては,ソフトコンピューティング法の1つであるPSO (Particle Swarm Optimization)を用いることで大域最小解周辺の解を得て,そこから繰り返し計算であるNewton法を適用し最適解を得る.数値シミュレーションを行い,Cramer-Rao Boundと比較することで本手法の有効性を確認した.