著者
相澤 杏莉 齋 綾乃 長井 幸美 堀井 旺歩 山田 佳奈 佐々木 誠
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.123-128, 2022 (Released:2022-02-20)
参考文献数
33

本稿の目的は,身体の柔らかさに着目し,その定義づけ,加齢変化,性差に言及し,スポーツ障害・外傷の発生に柔軟性と関節弛緩性がどう影響するかを示し,この発生の予防として行われているストレッチを中心とした介入の柔軟性向上に対する効果に言及することである.身体の柔らかさは,主に柔軟性と関節弛緩性で表現され,これらは加齢とともに低下し,関節弛緩性は女性の月経周期によって影響される.身体各部の柔軟性の低下は障害・外傷の発生頻度を高め,一方で関節弛緩性が高い場合には障害・外傷を起こしやすい.関節弛緩性を生じない範囲で柔軟性を向上させることは,スポーツに起因する怪我を予防するのに重要であり,いくつかのスポーツ種目について,障害・外傷を予防するための,主にストレッチの有意義性を提示した.