著者
今井 忠則 齋藤 さわ子
出版者
日本作業療法士協会
巻号頁・発行日
pp.42-51, 2011-02-15

要旨:意味ある作業が健康に及ぼす影響についての根拠となる研究は少ない.本研究の目的は,意味ある作業の参加状況が健康関連QOLに及ぼす影響を明らかにすることである.茨城県の地域中高年者470名を対象に6ヵ月間の追跡調査を実施し398名を分析対象とした.意味ある作業の参加状況の測定は,自記式作業遂行指標(SOPI)を,健康関連QOLはSF-36v2を使用した.性・年齢・社会経済的要因を調整変数とした重回帰分析の結果,意味ある作業の参加状況の改善は健康関連QOL(特に精神的側面)に肯定的な影響があった.本研究は世界的にも少ない大規模集団の縦断研究であり,作業と健康に関する疫学的エビデンスの構築に貢献する.