著者
藤井 裕矩 草谷 大郎 渡部 武夫 AN Andrew
出版者
一般社団法人 日本航空宇宙学会
雑誌
宇宙技術 (ISSN:13473832)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.43-50, 2006 (Released:2006-11-29)
参考文献数
27

非線形フィードバック制御における階層的微分最適手法を基礎とした,制御アルゴリズムの提案を行い,航空宇宙機の非線形制御の例として,軌道から帰還操作のために大きくピッチ角を変更させるスペースシャトルの非線形運動と,地表面観測のためにピッチングと上下運動を拘束した状態で等加速度水平飛行を行う飛行船の非線形運動へ応用し,最適なフィードバック制御問題を解いた.この制御アルゴリズムは,テイラー展開・緩和法などを用いるよりも,シンプルで計算時間も短くてすみ,精度も向上させるものである.また,トラジェクトリーコントロールやスピンアップ問題などのより複雑な非線形問題にも応用が可能であるといえる.