著者
Yulian Bandi Hermawan 奥田 延幸
出版者
香川大学
雑誌
香川大学農学部学術報告 (ISSN:03685128)
巻号頁・発行日
vol.54, pp.35-40, 2002-03-29

本研究では, 1998年にインドネシアBengkulu地域の3地区におけるラフレシア(Rafflesia arnoldii R.Br.)の開花の現状を調査した.1次データとしてアンケート調査を行い, 2次データは政府機関と研究論文から収集した.この結果, Bengkulu地域におけるラフレシアの分布地は低地3カ所と高地5カ所の合計8カ所であることが明らかになった.また, その分布地の保護のために, 宿主であるLiana植物体への標識とその周囲のフェンス取り付け, および宿主の現地への再導入が重要であると考えられた.ラフレシア分布地の人為的破壊は, 地域社会の人口増加, 地域住民への教育並びに民族的背景が要因となっていると思われた.地方自治体からの情報公開はラフレシアの保護に貢献し, さらに道路や電力供給などの社会資本整備によってラフレシアが観光客の誘致に有効であると考えられた.