著者
Yulian Bandi Hermawan 奥田 延幸
出版者
香川大学
雑誌
香川大学農学部学術報告 (ISSN:03685128)
巻号頁・発行日
vol.54, pp.35-40, 2002-03-29

本研究では, 1998年にインドネシアBengkulu地域の3地区におけるラフレシア(Rafflesia arnoldii R.Br.)の開花の現状を調査した.1次データとしてアンケート調査を行い, 2次データは政府機関と研究論文から収集した.この結果, Bengkulu地域におけるラフレシアの分布地は低地3カ所と高地5カ所の合計8カ所であることが明らかになった.また, その分布地の保護のために, 宿主であるLiana植物体への標識とその周囲のフェンス取り付け, および宿主の現地への再導入が重要であると考えられた.ラフレシア分布地の人為的破壊は, 地域社会の人口増加, 地域住民への教育並びに民族的背景が要因となっていると思われた.地方自治体からの情報公開はラフレシアの保護に貢献し, さらに道路や電力供給などの社会資本整備によってラフレシアが観光客の誘致に有効であると考えられた.
著者
松井 年行 奥田 延幸 小杉 祐介
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.71, no.4, pp.499-503, 2002-07-15
被引用文献数
1

カイラン20品種の遺伝的関係を12種類の12塩基プライマーと, それら2種類のプライマーを組み合わせて用いたRAPD法により検討した.DNAフィンガープリントの多型性によってカイランの品種は3グループに分類された.第1グループは9品種で, 'Large leaf kailaan'(圓葉白花)の様な白花で縮葉の品種群(8品種)並びに白花か黄花である'Nanjing huanghua (huang)'(南京黄花(黄))の品種群(1品種)を含んでいた.第2グループは6品種で, 'Huanghualenye'(黄花)の様な黄花で濃緑葉の品種群(2品種)と'Huanghuagelin'(黄花格林)の様な黄花で淡緑の品種群(4品種)に分類された.第3グループは5品種で, 白花か黄花の品種の'Nanjing huanghua (bai)'(南京黄花(白))と'Hei'(黒)や'Small leaf kailaan'(尖葉白花)の様な白花で平滑葉の品種群(4品種)に分類された.また, 白花カイランが中国本土から台湾へ広がる過程で, 黄花カイランへ分岐したことが示唆された.