著者
Chanthavong souphatta 時津 裕子
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集
巻号頁・発行日
vol.2020, pp.109, 2021

<p>見る者に不快感や不安感などネガティブな感情を抱かせる"disturbing"画像がインターネット上で人気を博している。本研究の目的は、これらの画像群を構成する意味構造について明らかにすることである。127枚のdisturbing画像における意味要素31種の存否状況を変数として数量化Ⅲ類よる分析を実施した。その結果disturbing画像群は、特定の意味要素だけで構成される画像と、複数の意味要素がまとまって構成される画像に大別されることが確認された。前者の画像群は傷や孔の集合体など生理的嫌悪につながる意味要素で構成され、比較的低次の処理過程からdisturbingnessがもたらされると推測される。一方、後者の画像群には死や儀式を連想させる要素や、文脈との不一致から生じる違和感などの要素によって構成されており、高次の思考・認知過程を経てdisturbingnessが生起すると推察される。</p><p></p>