著者
由比 政年 大谷 直也 間瀬 肇 金 洙列 楳田 真也 Corrado ALTOMARE
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B2(海岸工学) (ISSN:18842399)
巻号頁・発行日
vol.75, no.2, pp.I_739-I_744, 2019 (Released:2019-10-17)
参考文献数
14
被引用文献数
2

不規則波を対象とした打上げ・越波統合算定モデルIFORMは,複雑断面形状に対応可能で適用条件の制約が小さく,多様な設計条件を網羅できる特長を有している.本研究では,IFORMの越波量算定式を拡張することにより,従来過小評価傾向が見られた条件における推定精度を向上させることを試みた.拡張にあたっては,従来,適用域全域に渡って単一式で表現されていた最大打上げ高と越波量の関係について詳細な再検討を行い,相対天端高に応じて分割された3つの適用域それぞれに対して最適な表現式を誘導・接続することで越波量算定式を再構築した.拡張モデルによる推定越波量を国内外で行われた水理実験結果と比較して適用性検証を行い,拡張型IFORMによる推定値は,広い条件に渡って実験結果を良好に再現可能であることを確認した.