著者
徐 園 En Jyo
出版者
同志社大学社会学会
雑誌
評論・社会科学 = Hyoron Shakaikagaku (Social Science Review) (ISSN:02862840)
巻号頁・発行日
no.89, pp.111-137, 2009-10-10

本稿では、戦前・戦中における東京の主要新聞に連載された子ども漫画を対象に、その表現形式の変遷について考察した。新聞子ども漫画は、明治末期に、伝統的な絵物語の形式で週に一回連載されていた。児童文化の発展と西洋文化の輸入のなかで、大正後期から吹き出しを用いて、毎日連載する4コマ漫画が急増し、昭和十年代にはこの形式が定着した。その変遷過程は、日本と西洋の漫画の形式が衝突し、また融合する過程である。