著者
Hendarmawan 三田村 宗樹 熊井 久雄
出版者
地学団体研究会
雑誌
地球科學 (ISSN:03666611)
巻号頁・発行日
vol.59, no.3, pp.155-166, 2005-05-25

研究地域では,水資源を湧水に依存しているため,湧水の環境保全は非常に大切である.それ故,湧水についての浸透量・涵養量・流出量の理解が必要である.本研究では,インドネシア,Java島西部のLembangとその周辺において,涵養地域と流出地域に各地域を区分する目的で,地質学的背景と湧水の電気伝導度と温度の傾向を総合的に検討した.断層の発達と時代の新しい累層,古い累層は,それぞれ異なる電気伝導度と水温度の湧水の形成に影響していた.乾季と雨季における電気伝導度と温度の違いは,降雨からの涵養水や表層水の影響が大きいと考えられた.以上の結果,大きく異なる湧水の電気伝導度と水質の特徴により,研究地域は3つの地域に区分することができる.