著者
山本 秀人 Hideto Yamamoto
雑誌
日本福祉大学子ども発達学論集 = The Journal of child development
巻号頁・発行日
vol.7, pp.1-16, 2015-01-31

本稿では, 教材研究を経ずに取り組まれた 「ドッジボール」 と教材研究を経て取り組まれた 「ハンターボール」 という 2 つの保育実践を分析することから, 教材研究の重要性について検討した. 教材研究を経ずに取り組まれた 「ドッジボール」 の実践では, 子どもから 「うさぎ組もハンターボールやりたいな, なんでドッジボールやらなきゃいけないの」 という声があがるが, 保育者はその問いにこたえることができなかっただけではなく, 実践を途中で放棄してしまった. 教材研究を経て取り組まれた 「ハンターボール」 の実践では, 「ボール運動」 で教えたい・伝えたい内容である教科内容が鮮明になり, それらの教科内容を達成するための子どもたちの発達的特徴に応じた指導内容・方法が明確になり, 掲げたねらいのすべてを達成することができた. これらのことから, 教材研究の重要性が明らかとなった.