著者
Tomohiro TAKATANI Hiroshi AKAEDA Teruo KAKU Masahide MIYAMOTO Hirohiko MUKAI Tamao NOGUCHI
出版者
Japanese Society for Food Hygiene and Safety
雑誌
Food Hygiene and Safety Science (Shokuhin Eiseigaku Zasshi) (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.39, no.4, pp.292-295_1, 1998-08-05 (Released:2009-12-11)
参考文献数
11
被引用文献数
5 5

最近, 九州地域ではこれまで例がほとんどない Gymnodinium catenatum により二枚貝が毒化している. 1998年1月下旬, 熊本県天草の宮野河内湾で天然マガキが麻痺性貝毒 (PSP) により毒化した. 同湾から, 1996年の大分県蒲江に引き続き, G. catenatum が密度308細胞/mLで確認された. カキの毒性値は3.0~263MU/gを示し, HPLC分析の結果, その毒成分はカキ, プランクトンともにC1 (PX1), C2 (PX2) を主成分としていた. この結果, カキは食物連鎖を通して G. catenatum により毒化したと結論した.