著者
蟹江 憲史 KABIRI N. KABIRI N KABIRI Ngeta
出版者
東京工業大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2012

当研究の目的は、気候変動ガバナンスと法的拘束力のある地域気候変動レジームの制約についての分析を行いつつ、位置づけていくことにあり、また、当事国の発展の必要性とグローバルな利益に注意を払いつつ、経済的なベネフィットにも寄与することが可能な、地域気候変動レジームのタイプについて形付けることであった。地域統合における、東アフリカ共同体(EAC)と南アフリカ発展共同体(SADC)の気候変動ガバナンスレジームの新興アーティキュレーションは存在する。どちらの共同体も気候変動に焦点を当て主張することができ、政策決定者は、この取組みを推進すべきであると考えられる。しかしながら、2つの共同体には明白な違いがあり、EACにおいては相当な進展を示しており、一方、SADCは、気候変動レジームを形成している段階にある。制度構造が部分的にこの違いの原因となっており、また、このような構造がなぜSADCに欠落しているかという説明が必要となってくる。しかし、EACについても、法的拘束力をもつレジームの達成を妨げる、いくつかの障害も記録されており、プロジェクトやプログラム構成がSADCより進んでいることを除いては、このケースはEACにおいても同じ状況にあるといえる。これら阻害要因を無くすためにより多くの投資が必要であり、共同体の気候変動ガバナンスアジェンダをさらに前進させるためにも、関連する政策手段を講じる価値があると考えられる。当研究により得られた成果により、具体的に国際開発を実現するような目標や指標を同定し、またその実現のためのガバナンスのフレームワークを導き出し、論文、学会発表等を通して、提言することが出来た。JSPSからのFundを通して、アフリカ等での市場調査を行い、様々な国際会議への参加が可能となり、円滑に研究を進めることが出来、十分な成果を導き出すことが出来た。