著者
Takeda Sakuzo Ito Nobutaka Kasai Masato Hisanaga Takayuki 竹田 策三 伊藤 信孝 笠井 公人 久永 孝之
出版者
三重大学農学部
雑誌
三重大學農學部學術報告 = The bulletin of the Faculty of Agriculture, Mie University (ISSN:04624408)
巻号頁・発行日
vol.63, pp.229-234, 1981-12

ユーカリ油は燃料として引火点および粘度が高い。このような燃料は燃料噴射装置を有する,圧縮点火機関用燃料として有望である。本研究は,ユーカリ油,軽油を用い,Y社製水冷4サイクルディーゼル機関の出力特性を実験した。軽油中のユーカリ油混入量40%までは,機関出力,燃費率に大きな相違は認められないが,ユーカリ油混入率60%以上では低負荷時に爆発むらがみられ爆発音もやゝ高かった。2000 rpm付近までは,混合比に関係なくトルクは,ほぼ一定,それ以上ではユーカリ油混合最大なるはど数%トルクの増加が認められた。燃費率はユーカリ油混入の場合,軽油に比して大きな相違は認められない。以上を総合し,ユーカリ油の軽油中への実用的な混合割合いは20%~40%である。またユーカリ油混合割合が多くなるに従い,燃料のセタン価が低下するので,セタン価向上剤の添加が,ユーカリ油混合の場合考慮されるが、今後の実験でその効果を確かめたい。