著者
片岡 直樹 Kataoka Naoki
出版者
新潟産業大学東アジア経済文化研究所
雑誌
新潟産業大学経済学部紀要 (ISSN:13411551)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.1-17, 2012-07

長谷寺銅板法華説相図の銘文に関しては従来多くの研究がなされてきたが、いくつかの文字については論者によって解釈が異なるものがある。本小論では金石文の研究においては銘文の原字を忠実に読み解く作業がなにごとにも優先するという立場から、あらためて銅板銘中の文字の校訂をはかり、あわせて全文の通釈を施しておくことにしたい。また、近年では文字の彫刻技法の面でも先学によるすぐれた研究がなされており、その内容は本銅板の制作背景を考察する上で看過できない要素を含んでいる。先学の指摘を踏まえて若干の私見を述べてみたい。
著者
片岡 直樹 KATAOKA Naoki
出版者
新潟産業大学経済学部
雑誌
新潟産業大学経済学部紀要 (ISSN:13411551)
巻号頁・発行日
vol.49, pp.33-47, 2017-07

日本における乾漆像には脱活乾漆像と木心乾漆像の2種類がある。このうち脱活乾漆像は中国(唐)からもたらされた技法によるもので、7世紀半ばから8世紀(白鳳時代~天平時代)にかけてつくられた。木心乾漆像は日本独自のもので、8世紀末から9世紀初頭(天平時代末期~平安時代初頭)につくられた。本稿では日本の乾漆像の主要な作例について、その成立過程と制作技法を紹介するとともに、中国・韓国の作例との比較を通して若干の私見を述べることにしたい。