著者
田中 誠 Makoto TANAKA
出版者
長崎国際大学
雑誌
長崎国際大学論叢 = Nagasaki International University Review (ISSN:13464094)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.13-21, 2017-03

英語の習得には、まずは基本である中学英文法をマスターすることが重要である。中学英文法の重要性に関する研究はこれまでも様々なものが行われている。本稿では、それらの先行研究を参考に、TOEIC L&R の問題を解く上で、中学英文法の知識がどれくらい重要な役割を果たすのかを検証することにした。調査したのは、TOEIC 公式問題集7冊の Part5の540問についてであり、使用されている単語はすべて意味・用法がわかっていると仮定した場合に、中学英文法の知識だけで解ける問題がどれくらいあるのかを調査した。調査の結果、中学英文法の知識で解答できる問題は、540問中520問であり、その割合は96.3%であった。今回の調査結果は、筆者の予想を上回る数値であった。TOEIC の該当問題の大部分が中学校レベルの文法で解けるということが明らかとなったことで、TOEIC のような難易度の高い問題を解く際にも、中学英文法をマスターすることは重要であること、語彙力の強化が必要であることを再認識させられた。日頃の英語指導においても、コミュニケーションを重視するからこそ、この2点に重点を置いた指導は重要となる。
著者
田中 誠 Makoto TANAKA
出版者
長崎国際大学
雑誌
長崎国際大学教育基盤センター紀要 = The Journal of Nagasaki International University Center for Fundamental Education (ISSN:24338109)
巻号頁・発行日
no.4, pp.45-53, 2021-04

英語を学習する際に、映画を活用することは大いに役に立つ。映画を DVD やブルーレイで見れば、字幕も音声も簡単に変えることができるし、英語学習のツールとして有効に活用できる。また最近では、Netflix のようなスマホでもタブレットでも映画を見ることができるような動画配信サービスもあり、音声も字幕も簡単に変えることができ、英語学習には非常に便利である。本稿では、『天気の子』の字幕翻訳の事例を英語教育の視点から5つの項目に分けて、それぞれの翻訳事例を考察していく。字数制限のある字幕翻訳であるので、簡潔に表現する必要があるが、初級・中級レベルの英語学習者にとっては、短い表現で、簡潔に意味を伝える英語表現の良い例として、参考にすることができる。映画の場面の状況とともに理解できれば、実際のコミュニケーションでも適切な場面で適切な英語表現を使用できると考えられる。映画は、学生の興味・関心を引く教材としても利用できるので、授業の際のスモールトークとしても活用できる。