著者
中西 正治 Masaharu NAKANISHI
出版者
三重大学教育学部
雑誌
三重大学教育学部研究紀要 (ISSN:18802419)
巻号頁・発行日
vol.64, pp.193-208, 2013

広島高等師範学校附属中学校が、明治後期・大正・昭和初期にかけて行ってきた関数や関数の考え方に対する教育(関数教育)はどのようなものであったのか、その様相を明らかにすることが本稿の目的である。研究の結果、明治38年度から大正5年までは、教科書作成第I期に向けて準備を進めた準備期、関数概念の養成を代数学を中心として進めた創生期(第I期:大正6年~大正12年)、幾何学で式とグラフの利用、算術でグラフ利用及び代数学の更なる充実をはかった成長期(第II期:大正11年~大正15年、第III期:大正15年~昭和5年)、数学全体という志向でより広がりを見せた成熟期(第IV期:昭和6年~昭和8年)と、大きく4つに分けられることが明らかとなった。