著者
鐘ケ江 光 Igor Massahiro de SOUZA SUGUIURA 佐々木 恭子 大塚 美加 濱野 剛久 田代 連太郎 Mario Augusto ONO 和田 新平 Eiko NAKAGAWA ITANO Md. Amzad HOSSAIN 佐野 文子 植田 啓一
出版者
Japanese Society of Zoo and Wildlife Medicine
雑誌
日本野生動物医学会誌 (ISSN:13426133)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.107-114, 2023-09-01 (Released:2023-11-01)
参考文献数
24
被引用文献数
1

Paracoccidioides cetiiを原因菌とするクジラ型パラコクシジオイデス症 (英名:paracoccidioidomycosis ceti) は,小型鯨類を宿主とし,皮膚の慢性肉芽腫性病巣を特徴とする人獣共通真菌症である。今回,臨床症状を示すものの従来法では確定診断に至らなかったバンドウイルカ(Tursiops truncatus) とオキゴンドウ (Pseudorca crassidens) の皮膚病変生検組織由来DNAより,原因菌の特異的遺伝子であるgp43をPCRとLAMPの組み合わせにより検出し,確定診断を得た。なお,オキゴンドウ症例は世界初の確定診断例である。