著者
Shepard John W. Meyer Katherine A.
出版者
The Ichthyological Society of Japan
雑誌
魚類学雑誌 (ISSN:18847374)
巻号頁・発行日
vol.25, no.3, pp.159-164, 1978

伊豆諸島の三宅島から得られたべラ科の1新種ウスバノドグロベラ<I>Macropharyngodon moyeri</I>を記載した.本種は<I>M. kuiteri</I>以外の同属の既知種とは, 歯が扁平であることと, 背鰭と臀鰭の条数が12本といずれも1本多いことで識別できる.<I>M. kuiteri</I>万とは色彩および各側線鱗の各部開孔数で区別される.
著者
Meyer Katherine A.
出版者
The Ichthyological Society of Japan
雑誌
魚類学雑誌 (ISSN:18847374)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.101-112, 1977

三宅島において1974年6月から1975年秋にかけて, ニシキ・ベラの生殖行動と性構造を観察した.産卵は6月中旬から9.月中旬まで続き, その間の水温は20.0~28.0℃であった.求愛行動はまれに午後に観察されることもあるが, 産卵は午前だけに限られた.<BR>195尾の調査個体のうち, 52.8%は雄, 44.6%は雌(残りは不明)であった.雌雄ともに同範囲の体長分布を示したが, そのうち特に大型の個体についてだけみれば, 雄の数は雌より多い.本種は雌性先熟現象により雄に2型を示す.体色相の変異についても観察し, initial phaseは未成魚, 雌, 一次雄, 二次雄に認められるが, terminal phaseは一次雄, 二次雄に限られる.ペア形成産卵と群れ形成産卵の両型が観察されたが, 本研究水域では後者がより頻繁であった.求愛行動および産卵行動の記載を行ない, 同属の他の魚種との比較検討を行なった.