著者
Danny W. Scott Heather D. Edginton William H. Miller Jr. Mitzi D. Clark
出版者
日本獣医皮膚科学会
雑誌
獣医臨床皮膚科 (ISSN:13476416)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.7-9, 2015 (Released:2015-05-12)
参考文献数
12
被引用文献数
2

第2世代の抗ヒスタミン薬であるロラタジンが,猫アレルギー性皮膚炎の管理に有効であるという逸話的情報が教科書やインターネット上で報告されている。そこでロラタジンをアレルギー性皮膚炎に罹患した27頭の猫に,5 mg/catで1日1回経口投与した。その結果,わずか1頭(4%)の猫においてそう痒を良好に管理することが可能であった。有害事象は認められなかった。
著者
Mitzi D. Clark Danny W. Scott Longying Dong Sean P. McDonough
出版者
日本獣医皮膚科学会
雑誌
獣医臨床皮膚科 (ISSN:13476416)
巻号頁・発行日
vol.18, no.4, pp.233-237, 2012 (Released:2012-12-29)
参考文献数
29
被引用文献数
2

健常な表皮には少数のT細胞が常在することが,これまでヒト,マウス,ウシおよびヒツジで報告されている。しかしネコやウマでは,同様の細胞は表皮や付属器上皮に認められない。そこでイヌの表皮や付属器上皮におけるリンパ球,CD3陽性細胞(T細胞)ならびにPax5陽性細胞 (B細胞)の存在を調べるため,29頭のイヌ胸背部から生検により採材した健常皮膚を組織学的および免疫組織化学的に解析した。その結果全ての組織において,前述の細胞はいずれも認められなかった。以上より,健常イヌの表皮にはリンパ球はほとんど認められないか,存在してもごくわずかな数であることが示唆された。