著者
Kang Ji-Houn Chang Dongwoo Lee Young Won NA Ki-Jeong YANG Mhan-Pyo
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.69, no.7, pp.751-754, 2007-07-25
被引用文献数
3

4歳,雄,体重27kgのラブラドルレトリーバーが,突然,精神遅滞や旋回運動,頭部を押付けるといった臨床徴候を呈した.この犬は水を好んで摂取することはなく,無敗症が持続し,人工的な高塩素血症を伴った高ナトリウム血症がみられた.一連の内分泌検査と画像検査所見から,甲状腺機能低下症が示唆され,脳脊髄液と血清からは抗甲状腺抗体の存在が明らかになった.レポチロキシンナトリウムを投与したところ,神経徴候は処置後1週以内に軽減され,無敗症も解消した.