著者
丹羽 佐紀 山下 孝子 大和 高行 小林 潤司 杉浦 裕子 Niwa Saki Yamashita Takako Yamato Takayuki Kobayashi Junji Sugiura Yuko
出版者
鹿児島大学
雑誌
鹿児島大学教育学部研究紀要 人文社会科学編 (ISSN:03896684)
巻号頁・発行日
vol.60, pp.145-223, 2008

2006年1月から2007年7月にかけて、鹿児島在住の英国近代初期演劇研究者の仲間たちが集まって、月に1回の割合で、エリザベス1世時代の劇作家、ジョージ・ピールの『ダビデとバテシバ』の輪読会を行なった。一連の翻訳は、その輪読会の成果である。ジョージ・ピールは彼の劇作品に様々な題材を取り入れており、『ダビデとバテシバ』は、聖書のサムエル記下の記事を題材として扱ったものである。劇のあらすじは、基本的には聖書の中に書かれた内容と同じであるが、その描き方にはかなりの相違点が見られ、ピールの独自性が顕著である。翻訳に際しては、毎回、担当者が準備してきた試訳を全員で細部にいたるまで議論、検討し、その都度必要に応じて修正した。それを、丹羽佐紀が取りまとめて文体の統ーを図った。従って、原文の解釈については5名の共訳者が等しく責任を負い、訳文の文体および表現については、主に丹羽に責任がある。解説と訳注の執筆は、丹羽が担当した。