著者
倉橋 弘 OMAR Baharudin
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.58, no.4, pp.325-327, 2007
被引用文献数
2

東マレーシア,サラワク州バコ国立公園で2005年に双翅目昆虫の分類・生態学的調査を実施した際,ウツボカズラNepenthes rafflesianaのピッチャーから採集された幼虫を飼育して得られた1メスをもとに,希少種ウイルヘルムクロバエWilhelmina nepenthicola Schmitz and Villeneuve,1932を再記載した.本種はこれまでインドネシア(模式産地: ポンティアナ)から知られていたもので,マレーシアからは初めての記録である.頭部と胸部は銀白色粉に覆われ,腹部は黄褐色で第3,第4背板には後縁に暗色横帯をもつ美麗種である.幼虫は特異な形態をもつスカベンジャーである.ピッチャー内の液面に浮かんで呼吸し,時々潜っては,そこに沈殿している虫の死骸を食している.
著者
Omar Baharudin Jeffery John Sulaiman Sallehudin
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.42, no.3, pp.215-217, 1991

マレー半島のカメロン・ハイランドの野菜畑に発生しているイエバエMusca domestica L.の囲蛹に寄生していた3種のコガネコバチのうち2種は世界共通種Spalangia nigroaenea Curtisと南米産S. chontalensis Cameronであったが, 1種は新種であったのでS. bouceki n. sp.として記載した。本新種はpronotal collarの前縁が盛り上っている3番目の種になる。
著者
Omar Baharudin Sulaiman Sallehudin Jeffery John
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.147-149, 1991
被引用文献数
2

マレー半島のカメロン・ハイランドの野菜畑に多量発生しているイエバエMusca domestica L.の天敵調査の結果, 寄生蜂Spalangia spp.に混じってチビクロセスジハネカクシAnotylus latiusculus (Kraatz)がイエバエの囲蛹より羽化してきた。天敵としての重要性については未知であるが, 本種のイエバエ囲蛹寄生例としては初めてと思われるので報告する。