著者
小川 竹一 おがわ たけかず Ogawa Takekazu 沖縄大学地域研究所特別研究員・愛媛大学名誉教授
出版者
沖縄大学地域研究所
雑誌
地域研究 = Regional Studies (ISSN:18812082)
巻号頁・発行日
no.22, pp.21-37, 2018-10

沖縄県読谷村の集落(字)は、強い共同性を有し、高い自治能力を有している。沖縄戦と米軍統治下の基地接収により、集落の壊滅の危機に面した。各集落は、僅かに返還された土地で、集落の再建を行っていった。この集落の再建を可能にしたのは、歴史的に形成されてきた集落の共同性である。集落領域の土地は、集落の共同資源(コモンズ)として存在してきた。さらに、米軍から解放された土地を分け合って集落を再建したこと、村と集落とが、土地の返還を求めて団結してきた。基地接収された土地を回復されるべきコモンズとして認識してきた。また、集落が得る高額の軍用地料が住民の行事、福利に用いられていることも、コモンズの側面として捉えられる。米軍から返還され、国から払下げをうけ村有地となった読谷補助飛行場跡地の利用は、関係集落ごとに作られた農業生産法人が利用主体となった上で、法人の所有権取得が計画されている。この事業が集落再生の萌芽となるのかを検討する。