著者
山中 玲子 水島 美枝子 Rahena AKHTER 古田 美智子 山本 龍生 渡邊 達夫
出版者
一般社団法人 口腔衛生学会
雑誌
口腔衛生学会雑誌 (ISSN:00232831)
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.125-133, 2008-04-30 (Released:2018-03-30)
参考文献数
21

電動歯ブラシの使用は,高校生への公衆衛生学的なアプローチとして効果的であると思われる.しかし,電動歯ブラシの機構はさまざまなので,代表的な2種類の電動歯ブラシOral-B(PC)とSonicare(SE)によるブラッシングの効果と安全性を,歯肉炎に罹患している高校生を対象にして比較検討した.高校生956名のうち65名が,歯科検診で歯肉炎と判定された.そのうち本研究に文書で同意をした59名に口腔内診査を行い,学年と性別,すべての第一・第二大臼歯と,右側上顎中切歯,左側下顎中切歯の10歯のプロービング時の出血部位数を診査部位数で除した値の百分率(出血部位割合),口腔清掃状態の指数(QuigleyとHeinによるPlaque IndexのTureskyらによる改良法; PII),プロービングデプスをマッチングしPC群とSE群に分けた.ベースラインから8週間後まで,1日2回,2分間のブラッシングを指示しベースラインと2, 4, 8週間後に口腔内診査と電動歯ブラシによるブラッシング指導を行った.出血部位割合, PII,プロービングデプスは,2群間に有意差はなく,各群とも経時的に有意に減少した.歯肉の擦過傷は,PC群において2,4週間後に4個存在したが,8週間後にはなくなった.電動歯ブラシPCとSEの使用は,同程度に高校生の歯肉炎を改善し,歯肉に対して安全であるため,公衆衛生学的な手法として有効である.