著者
木下 華子 山本 聡美 堀川 貴司 渡邉 裕美子 陣野 英則 山中 玲子 梅沢 恵
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2020-04-01

日本には、古都や古代寺院の遺構、あるいは絵画資料・記録・伝承等に描かれた荒廃した町並みや建造物など、古代以降、文学・美術・芸能に多くの廃墟表象を見いだせる。本研究では、文学・美術・芸能を専門とする複数の研究者を組織し、日本古代・中世における廃墟を、上述の多様な視点から総合的に分析する。また、研究会・シンポジウム・出版などを通じ、廃墟論の学術的フレームと議論の場を創出する。東日本大震災以降、廃墟は物理的にも精神的にも私たちの間近に存在する。古代・中世の人々が廃墟と共存した有様を解明することで、現代社会における、廃墟を内包した新たな文化創造の論理的基盤を獲得することを最終的な目標とする。
著者
竹本 幹夫 山中 玲子 小林 健二 落合 博志 大谷 節子 三宅 晶子 天野 文雄 石井 倫子 稲田 秀雄 表 きよし 樹下 文隆 西村 聡 松岡 心平 三宅 晶子
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2005

番外曲を中心に、カ行までの170番1020本ほどを翻刻した。また代表者・分担者・連携研究者はそれぞれ別記の論考を発表した。研究成果として発表した謡本以外にも、全国の謡本資料を博捜して、『国書総目録』未収の謡本を多数発見、デジタル化した。それらはハードディスクに複写して連携研究者以上の研究参加者がそれぞれ保管し、今後の作業のために役立てる。また竹本が監修し、分担者等の内、三宅晶子・山中玲子が中心となり、落合博志・大谷節子が補佐して編集実務に当たる形で、『現代謡曲集成』全6巻を企画し、勉誠出版より刊行の予定である。これについてはすでに第1巻が本年度中に刊行の予定で、数年以内に全巻刊行の後、別途全謡曲本文を網羅した『謡曲大成』を刊行の予定である。また分担者の内、大谷節子が、別記の著書『世阿弥の中世』により、2008年度角川源義賞を受賞したことも申し添えたい。
著者
横井 彩 山中 玲子 森田 学 山崎 裕 柏﨑 晴彦 秦 浩信 友藤 孝明 玉木 直文 江國 大輔 丸山 貴之 曽我 賢彦
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

舌の上に白い苔のように付着している汚れ(舌苔)の面積と、口の中のアセトアルデヒド濃度について、健常者65人(男性51人、女性14人)で調査し、舌苔の付着面積が大きい人は、付着面積が小さい人に比べ、口の中のアセトアルデヒド濃度が高くなることを明らかにしました。その理由として、舌苔に含まれる細菌がアセトアルデヒドの産生に関与していると考えられ、舌苔を取り除く舌清掃を行うと、口の中のアセトアルデヒド濃度が減少することも確認しました。
著者
表 章 落合 博志 表 きよし 山中 玲子 木下 文隆 竹本 幹夫
出版者
法政大学
雑誌
総合研究(A)
巻号頁・発行日
1991

1.本研究は、法政大学能楽研究所が調査・蒐集した全国各地の演能記録を基盤に、新たに探索した記録をも加え、催し単位の番組を所定の形式に調理してパソコンかワープロのフロッピーに収納し、それを国文学研究資料館が「連歌資料のコンピュータ処理の研究」で開発したシステムを利用して、データベース化することを目標としており、いわば能楽研究所と国文研究資料館が提携した共同研究である。初年度と2年目に基盤データの集積に力を注ぎ、20000番に近い番組のフロッピーへの収納を完了し、国文学研究資料館の大型コンピュータへの転移も終了した。2.資料数が予想以上に多く、当初意図した明治初年までの記録をすべて集成することを無理であることが明らかになったので、2年目の途中から江戸中期の享保5年(1720)までの分を優先することに方針を変更し、3年目にあたる本年度は、集めた資料の整理・分析に重点を移した。コンピュータによる曲名索引や演者名索引がその作業にすこぶる役立ったが、それを手掛かりに分析した結果、原資料に年月の誤りや人名の誤記がすこぶる多いことが判明し、それの修正に多大の労力を要した。3.その結果、3年目には、補助者に頼ったデータ集積は順調に進行して、番組集の種類では40余種、催し単位では3000回、曲単位では30000番にも及んでいるが、その整理は寛文年間までの分(1670年まで)をほぼ終了した段階である。その内の、主たる資料七種の整理結果を本研究の中間発表の形で公表することにし、グループ名義の別記の報告にまとめた。文字を7ポ大に縮小しても第一回分だけで90ページを越え、3回に分載する全体では200ページを越えるであろう。4.本研究は、科学研究費補助金の交付終了後も同じグループによって継続する。法政大学能楽研究所と国文学研究資料館と本研究参加者がその責任を負っている。最終成果の発表は数年先になるが、活字による公表は量的に無理なので、圧縮ファイル、またはCD-ROMによる頒布を考えている。
著者
山中 玲子 MCGAUGHEY-SLANE HANNA
出版者
法政大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2021-09-28

This project's goal is a digital text corpus of Zeami's critical writings, with a focus on his first and most famous text Fushikaden, and their analysis using computational methods. The corpus will include not only transcriptions of historical manuscripts to digitally model their genealogy but also Yoshida Togo's first print publication and Nose Asaji's first annotated edition for an analysis of Zeami's modern reception. A critical evaluation of the results achieved during this fellowship will inform further consideration for building a digital scholarly edition of Fushikaden.
著者
山中 玲子 水島 美枝子 Rahena AKHTER 古田 美智子 山本 龍生 渡邊 達夫
出版者
一般社団法人 口腔衛生学会
雑誌
口腔衛生学会雑誌 (ISSN:00232831)
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.125-133, 2008-04-30 (Released:2018-03-30)
参考文献数
21

電動歯ブラシの使用は,高校生への公衆衛生学的なアプローチとして効果的であると思われる.しかし,電動歯ブラシの機構はさまざまなので,代表的な2種類の電動歯ブラシOral-B(PC)とSonicare(SE)によるブラッシングの効果と安全性を,歯肉炎に罹患している高校生を対象にして比較検討した.高校生956名のうち65名が,歯科検診で歯肉炎と判定された.そのうち本研究に文書で同意をした59名に口腔内診査を行い,学年と性別,すべての第一・第二大臼歯と,右側上顎中切歯,左側下顎中切歯の10歯のプロービング時の出血部位数を診査部位数で除した値の百分率(出血部位割合),口腔清掃状態の指数(QuigleyとHeinによるPlaque IndexのTureskyらによる改良法; PII),プロービングデプスをマッチングしPC群とSE群に分けた.ベースラインから8週間後まで,1日2回,2分間のブラッシングを指示しベースラインと2, 4, 8週間後に口腔内診査と電動歯ブラシによるブラッシング指導を行った.出血部位割合, PII,プロービングデプスは,2群間に有意差はなく,各群とも経時的に有意に減少した.歯肉の擦過傷は,PC群において2,4週間後に4個存在したが,8週間後にはなくなった.電動歯ブラシPCとSEの使用は,同程度に高校生の歯肉炎を改善し,歯肉に対して安全であるため,公衆衛生学的な手法として有効である.
著者
宮本 圭造 伊海 孝充 高橋 悠介 石井 倫子 山中 玲子
出版者
法政大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01

能楽を伝える最古の家系である金春家の伝来文書は、その過半が明治維新後に流出し、主要な部分は現在法政大学能楽研究所に般若窟文庫として所蔵されている。一方、金春家にも今なお多くの文書が残されているが、これについては従来、十分な調査が行われてこなかった。本研究は、その金春家蔵の古文書の悉皆調査を行ったもので、四年間にわたる調査の結果、金春家には16世紀から20世紀にいたる1664点の文書が現存することを明らかにするとともに、大和地方の神事能や17世紀の江戸の勧進能の記録、明治期の金春家の動向を伝える貴重な資料を発見するなど、多くの成果を得た。
著者
山中 玲子
出版者
法政大学
雑誌
能楽研究 (ISSN:03899616)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.37-67, 2004-04-10
著者
山中 玲子
出版者
明治書院
雑誌
国語と国文学 (ISSN:03873110)
巻号頁・発行日
vol.93, no.3, pp.3-16, 2016-03
著者
丸山 貴之 森田 学 友藤 孝明 江國 大輔 山中 玲子 竹内 倫子
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

近年、生活習慣病の対策として、成人に対する食育の重要性が注目されている。本研究では、食育活動の実践頻度と生活習慣病に関する検査値との関連性、早食いの主観的評価と客観的評価の関連性について調査し、食育活動が低い(早食いを自覚している)と判断された者を対象に、早食い防止啓発パンフレットの配布や食行動記録を行うことで、食育活動の改善がみられるかについて検討した。さらに、食育の知識とう蝕との関係について、歯科保健の立場から調査した。
著者
丸井 英二 JOHNSTON Wil 李 誠國 SOMーARCH Won YAP Sue Pin 田口 喜雄 田畑 佳則 関 道子 遠藤 誉 米山 道男 大東 祥孝 WILLIAM Johnston SUNGKUK Lee SOMARCH Wongkhonton 山中 玲子
出版者
東京大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1993

本研究は留学生にかかわる問題のなかで、長期的な波及効果としての留学生の帰国後に焦点をあてて行われた。その背景として、「留学生10万人政策」に由来する近年の留学生数の著しい増加がある。もちろん、現在わが国に滞在する留学生についての各種支援が必要とされていることは言うまでもない。しかし、こうした現状の延長上にある今後の問題点を考慮すると、帰国後の留学生の生活について研究を行っておくことが必要な時期となっている。その場合、帰国してからの国内的、国際的役割を継続的に把握していくことが必要である。留学生の帰国後に描くことのできる明るい展望がなければ、国内における留学生指導も実効性をもつことがなく、留学生も日本への期待をもつことができなくなり、将来的にわが国への留学そのものを希望しなくなるであろう。今後の健全な留学生政策のためにも帰国後の留学生についての研究が必要とされてきている。本研究では国立大学の留学生センターの留学生指導担当教官が中心となり、留学生の帰国後の社会的活動の動向の量的、質的に把握するための調査を行った。わが国への留学の意義を現地の視点でとらえなおし、さらに今後のわが国との関係をいかに維持していくかについて現時点で研究した。対象国はタイ、マレーシア、インドネシア、韓国であったが、初年度のみ台湾を加えた。研究の実施過程は1)現地での調査研究、2)国内での修了留学生の名簿作成のためのデータベース構築、3)研究ワークショップの開催とに分けることができる。初年度は主として現地での調査研究に焦点を絞った。研究分担者6名が共同研究者のいる対象国における実状を把握するために、アジア地域を中心に担当国を複数ずつ訪問し予備的調査を行った。現地では研究協力者との個別会議を開催し、必要に応じて帰国留学生との面接を行い、現状把握を行った。こうした一連のプロセスにより日本側研究者の現地事情に関する認識を極めて高いものとなった。また、現在では過去に多くの留学生が卒業あるいは修了しているにもかかわらず、なお多くの卒業生の現状が大学で把握できていないことが判明してきた。そのために第2年度には、国内での作業として卒業・修了留学生のデータベース構築のための研究会を開催した。個々の大学の事情に応じて若干の差はあるものの、共通のデータ形式を統一し、入力作業を開始した。すでにいくつかの国では帰国留学生会が設立されているが、そのメンバーは帰国したのちに自らの日本留学を是認し評価している人々が中心となって形成されている。こうした組織に日本留学に批判的な人々が加わっている可能性は小さい。したがって、本来的な母集団としての日本の卒業・修了留学生から出発して追跡することが評価のためのもっとも公平な方法である。現在のところ、データベースの構築は留学生センターの設置されている国立大学の一部から開始されているに過ぎないが、今後はその範囲を拡大していくことにより、留学生が大学から離れた後の動向を把握することが可能となる。今回の3年間の研究では主として帰国後の留学生を対象としたが、われわれのこうしたデータベースを利用することによって、母国に帰国しない人々についても追跡していくことができるという大きな意義が生まれることになる。さらに、第3年度である平成7年9月には、タイのマヒドン大学においてタイ、マレーシア、韓国からかつての日本留学生で現在は本国で活躍している人々を招待し、日本側研究者と合同でのセミナーを開催した。ここでは過去の留学生が日本でどのような経験をしたか、現在何をしているか、現在の日本との関係、さらに現地から日本をどのように見ているかなどについて一日半にわたって討議を続けることができた。3年間の研究期間に参加した留学生センターの日本側研究者ならびに現地の分担研究者にとっては相互理解の基盤を確立し、その上で帰国留学生に関する研究を行うことができたという点で充実した期間であった。また、タイ、マレーシア、インドネシア、韓国で研究協力者として多くの帰国留学生が参加することができた点も高く評価したい。本研究は単に限定された学術的研究にとどまらず、留学生を媒介とした共同研究の萌芽を各研究者レベルで作り出してきた。今後、この留学生問題に関する分野での多くの研究者によるさらなる研究に期待したい。
著者
松岡 心平 天野 文雄 磯田 道史 小川 剛生 落合 博志 高桑 いづみ 高橋 悠介 竹本 幹生 橋本 朝生 姫野 敦子 宮本 圭造 山中 玲子 横山 太郎
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2006

本研究は、観世文庫が所蔵する貴重な能楽関係文献資料の調査・整理・保存・公開によって、今後の能楽研究の発展の基礎を築いた。資料はマイクロフィルムに撮影・保存したうえで、これをデジタル画像化し、文献調査に基づく書誌情報と統合してデータベース化した。これはデジタルアーカイブとしてWeb上に公開され、資料が世界中から検索・閲覧可能になった。さらに「観世家のアーカイブ展」の開催を通じて、研究によって得られた知見の普及をはかった。