著者
上地 雄一郎 上地 玲子 Yuichiro Kamiji Reiko Kamiji
出版者
岡山県立大学短期大学部
雑誌
岡山県立大学短期大学部研究紀要 (ISSN:13404687)
巻号頁・発行日
no.6, pp.60-69, 1999

Hoffmanの心理的分離尺度(PSI)の日本版の問題点を改善するために、PSIの下位尺度を5つの下位尺度に細分化しなおし、項目数を少なくし、改訂版PSI(PSI-R)を作成した。PSI-Rの項目に対して主成分分析を行って項目を選定した結果、5つの成分が抽出され、これらは親からの機能的自立、親への不信・恨みの少なさ、親への同調・気遣いの少なさ、承認・支持への欲求の少なさ、親の依存・期待への嫌悪の少なさと解釈された。下位尺度の信頼性係数は0.913~0.754であった。PSIとの相関、白己実現尺度(SEAS)との相関を通して、PSI-Rの妥当性を検討したところ、PSIの下位尺度とはおおむね予想された高い相関が見られ、SEASの下位尺度との間にもいくつかの相関が見られた。