著者
青木 伊知男 城 潤一郎 Horacio Cabral Rumiana Bakalova Kevin M. Bennett
出版者
日本DDS学会
雑誌
Drug Delivery System (ISSN:09135006)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.47-53, 2015-01-25 (Released:2015-04-25)
参考文献数
37
被引用文献数
1

臨床で幅広く利用される生体イメージングであるMRIに対して、ナノDDSはこれまで、標的化による感度の向上、マルチモダリティ化、環境や外部刺激に応答する反応性の造影剤、そして診断と治療の一体化(セラノスティクス)など多様な応用を前臨床研究にもたらした。また、高分子ポリマー、ナノミセル、炭素素材、PEG化リポソームなど各キャリアの優れた特徴や限界も明らかになりつつある。本稿では、MRIに応用するという視点から、急激な発展を遂げたナノDDSの進歩と問題点を議論し、新しい方向性として注目される反応性造影剤(activatable probe)とセラノスティクスへの応用を中心に最近の動向を俯瞰し、将来を展望したい。