著者
ARNER Erik CARNINCI Piero FORREST Alistair SAXENA Alka FAGIOLINI Michela
出版者
独立行政法人理化学研究所
雑誌
若手研究(A)
巻号頁・発行日
2011

レット症候群のマウスモデルについてChIP 配列決定を行い、野生型(WT)とMecp2 欠損(KO)マウスの視覚野におけるMecp2 とFoxg1 の標的を特定。キャップによる遺伝子発現解析(CAGE)でKO の標的の発現レベルを評価した。WT とKO で発現の異なる遺伝子は主に発生後期に見られ、その多くは呼吸鎖等のミトコンドリア・プロセスに関連しており、レット症候群におけるミトコンドリアの関与を示唆している。
著者
CARNINCI Piero サクセナ アルカ SAXENA Alka
出版者
独立行政法人理化学研究所
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2009

本研究の主要な目的は、レット症候群にみられる重篤な症状の原因となっている異常を、ゲノムワイドに明らかにすることにある。具体的には、レット症候群関連遺伝子と考えられているmecp2遺伝子欠損マウスにおいて、可塑性に異常が認められた大脳視覚野のトランスクリプトームを正常マウスのそれと比較することと、MeCP2やFoxg1の標的と考えられるゲノム領域を特定することである。前者については、mecp2遺伝子欠損マウスを繁殖させることの難しさから、共同研究者からのサンプルの到着が遅れたものの、現在はすべてのサンプルがそろい、そこからヘリコスCAGEライブラリーを作製しているところである。これをシークエンスすることで、mecp2遺伝子欠損マウスがレット症候群を発症する前後のトランスクリプトームを比較する。後者に関しては、前年度に引き続き、ChiP-seq法を用いて、大脳視覚野におけるMeCP2やFoxg1の標的領域を調べた。ひとつのサンプル量が少量のため、ChiP-seqのプロトコールをそれに最適化する必要があり、時間がかかったが、最終的に900ヶ所以上のFoxg1ターゲットを特定できた。現在、これらのターゲット候補を定量PCRにて確認中である。その最終的な確認を待たなければならないが、Foxg1はゲノム中の繰り返し配列に結合する傾向を見出した。この少量のサンプルにChiP-seqを最適化したプロトコールは、現在投稿準備中である。さらに、共同研究としてFoxg1の発現量の確認を行い、その結果は現在投稿準備中である。これらに加えて、今期は共同研究としてsRNAライブラリーを作製し、sRNA依存的なDNAダメージ応答を明らかにした。