著者
岩月 真也 Shinya Iwatsuki
出版者
同志社大学社会学会
雑誌
評論・社会科学 = Hyoron Shakaikagaku (Social Science Review) (ISSN:02862840)
巻号頁・発行日
no.103, pp.89-113, 2012-11-30

本稿では,政治闘争であったと言われる勤評闘争下における現場教師たちの抵抗の源泉は何であったのかを,勤評闘争の発端である愛媛県下の現場教師たちの手記を中心的な資料として検討している。現場教師たちの手記を整理した結果,現場教師たちにとっての勤評闘争とは,現場教師たちから「差別昇給」と捉えられていた評価差による昇給差を職場に持ち込むことを否とする思想が闘争の源泉となり,「差別昇給」排除の闘争であったことが明らかとなった。
著者
岩月 真也 Shinya Iwatsuki
出版者
同志社大学社会学会
雑誌
評論・社会科学 = Hyoron Shakaikagaku (Social Science Review) (ISSN:02862840)
巻号頁・発行日
no.104, pp.89-108, 2013-03-20

本稿では,日教組対策として勤務評定を推し進めた勤評実施側から見た愛媛勤評闘争を描き,日教組対策としての勤務評定の意味を検討した。勤評実施側は教組側からの激しい抵抗に遭いながらも,自民党,県教委,地教委,PTA,県民等との連携を図りながら勤務実施を展開した。しかし,日教組対策としての勤務評定であったために,勤評実施側にとっては現場教師が死角となった。それゆえ,現場教師からの正当性が不足した勤務評定は形骸化せざるを得なかった。