著者
山田 壮志郎 Soshiro Yamada
雑誌
日本福祉大学社会福祉論集 = Journal of social welfare, Nihon Fukushi University
巻号頁・発行日
vol.128, pp.51-65, 2013-03-31

ホームレス問題が社会的排除の一つの典型であるならば, ホームレス対策は社会的包摂を志向するものであるべきである. 本稿の目的は, ホームレス状態の解消が社会的排除の克服に結びついているかどうかを検討することにある. そのために, 筆者がホームレス状態からアパート生活に移行した人々を対象として 2009 年に実施した調査の結果を用いて, ホームレス状態解消後の被排除状況を, 先行研究の分析枠組みに依拠しながら分析した. その結果, 第 1 に, 回答者の多くはホームレス状態を解消してもなお社会的に排除された状態に置かれていることが明らかになった. 第 2 に, 被排除状況には年齢階層による相違がみられ, 若年層では生活保護受給後の孤立化が, 高齢層では居住環境の低位性が課題となっていることがうかがえた. 第 3 に, 生活保護受給者の多くが, 社会的必需項目を剥奪されていることが明らかになった.