著者
明石 法子 宇野 彰 春原 則子 金子 真人 Taeko N. Wydell 粟屋 徳子 狐塚 順子 後藤 多可志
出版者
日本音声言語医学会
雑誌
音声言語医学 (ISSN:00302813)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.1-7, 2013 (Released:2013-04-03)
参考文献数
10
被引用文献数
2 1

発達性読み書き障害児における漢字単語音読の特徴を明らかにすることを目的とし,小学校2年生から6年生の発達性読み書き障害児37名と典型発達児991名を対象に,「小学生の読み書きスクリーニング検査(STRAW)」漢字単語音読課題における誤反応の分析および単語属性効果の検討を行った.誤反応分析の結果,発達性読み書き障害児は典型発達児に比べ,課題語を他の実在語に読み誤る語性錯読および無回答が多く,文字と音の対応は正しいが語単位では誤っている読み方である類音性錯読の出現率が低いという特徴が認められた.単語属性効果に関しては,親密度の高低にかかわらず,心像性の低い語,すなわちイメージが思い浮かべにくい語で誤りやすいことが明らかになった.こうした特徴には,音韻情報処理過程と視覚情報処理過程双方の障害という発達性読み書き障害児の認知能力が背景となっている可能性があり,診断の補助的指標や有効な学習法の開発に役立つと考えられた.