著者
長島 隆一 滝沢 悦貞 園山 実 Nagashima Ryuichi Takizawa Yoshisada Sonoyama Minoru
出版者
宇宙開発事業団
雑誌
宇宙開発事業団技術報告 = NASDA Technical Memorandum (ISSN:13457888)
巻号頁・発行日
pp.1冊, 1995-08-31

本研究は月表面における厳しい低温環境(夜が14日間も続き、月表面の温度は赤道上でマイナス170度Cまで低下する)を解決するシステムとして「ガラスの海システム」という新しいエネルギー貯蔵システムと月面発電所から「エネルギーを無線送電する伝送システム」について検討したものである。月の表土は熱伝導率が極めて低く表土の下は一種の魔法瓶としての機能を果たしていることが見い出された。この魔法瓶の中に月面材料を用いた蓄熱材を生成し太陽集熱装置を用いて14日間の昼間に加熱する。これを「ガラスの海」と呼ぶ。本研究では「ガラスの海」という月の新しいエネルギー貯蔵システムの構想を明確にし、(1)当面の月面活動を支える100kWクラスの発電システムと(2)地球へのエネルギーリターンを意図した5GWクラスの発電システムの2つについてシステムの実現可能性の検討とトレードオフによる比較を行った。「無線送電によるエネルギーの伝送システム」については先ず月面発電所からの無線送電についての前提条件を整理した。その前提条件をベースとして無線送電の技術的可能性を検討し、その検討結果をもとに無線送電による送受電システムの基本構想を提案した。
著者
森 英彦 高野 裕 滝沢 悦貞 川添 豪 金子 豊 名村 栄次郎 Mori Hidehiko Takano Yutaka Takizawa Yoshisada Kawazoe Takeshi Kaneko Yutaka Namura Eijiro
出版者
宇宙開発事業団
雑誌
宇宙開発事業団技術報告 = NASDA Technical Memorandum (ISSN:13457888)
巻号頁・発行日
pp.1冊, 1995-02-28

本報告書は月・火星の無人の探査計画、すなわち月と火星のそれぞれについての観測、着陸/移動探査およびサンプル・リターンについての無人の探査計画の検討結果を報告した。この計画による2015年以後の月と火星の開発利用シナリオについての検討結果の概略は次の通りである。(1)有人月面拠点の建設:5人程度が14日間程度滞在するものとする、(2)軌道上システムの建設:宇宙ステーションの有人機能と軌道上サービスシステムで開発される無人サービス機能を結合して軌道上サービスセンターを構築する、(3)静止軌道プラットフォームの建設:在来型の静止軌道衛星をプラットフォーム化し、永続的に使用する、(4)輸送系の開発:貨物および有人の低高度地球周回軌道機(LEO貨物、LEO有人)と貨物および有人の軌道間輸送機(OTV貨物、OTV有人)の開発が必要である、(5)火星探査:軌道上サービスセンターを用いて火星サンプルリターン機を構築する。